【談話】
第164通常国会閉会にあたって 2006年6月16日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫
1.第164通常国会が150日の会期を事実上終え、本日閉会した。
今国会での審議の特徴は、「法案」の持っている問題が明らかになったにもかかわらず、政府からはまともな答弁や資料提出がされないまま、小泉「構造改革」の総仕上げとして、公務員の総人件費削減などをふくむ「行革推進法案」や高齢者への新たな負担増や地域医療破壊につながる「医療制度改悪」などを「数の力」で成立強行してきたことである。
その一方で、「ライブドア」「耐震偽造データ」「アメリカ輸入牛肉」「防衛施設庁の官製談合」などいわゆる「4点セット」によって小泉「構造改革」の影の部分が噴出、「格差」問題が大きな社会問題としてクローズアップされた国会であった。そしてまた会期末直前になって証券取引法違反での「村上氏逮捕」、シンドラー社製のエレベーター事故、日銀・福井総裁の投資問題など、まさに今国会はライブドア・堀江氏逮捕にはじまり村上氏逮捕に終わるという、小泉「構造改革」の破綻が鮮明になった国会であった。
また、政府与党が「圧倒的多数の力」を背景に戦後はじめて教育基本法改悪案、国民投票法案など憲法改悪にむけて踏み込むという新たな段階を迎えた国会でもあった。
2.全労連は今国会にあたって、憲法改悪の動きに対して「戦後史をかけたたたかい」として、また労働者・国民のくらしや雇用を守り、働くルール確立にむけて国民的共同を追求してたたかってきた。具体的には職場・地域からのたたかいを重視しつつ、隔週水曜日において14次にわたる国会行動や国会前座り込みの展開、国会終盤のおける5万人を超える「5・27国民大集会」や「6・7国民集会」を成功させてきた。
こうした私たちのたたかいは、医療関係団体をはじめ地方自治体関係者、多くの労働者・国民との共同をつくりあげ、国会内の力関係にも影響を与えるものとなった。
結果的には、「行革推進法」や「医療制度改悪法」の成立を許したものの、政府・与党が今国会での成立を狙った教育基本法改悪をはじめ国民投票法案、組織犯罪処罰法案(共謀罪)、社会保険庁再編法案、防衛省法案などの成立強行を阻止するという成果をかちとったことは今後のたたかいに大きな勇気と確信をあたえるものである。
3.秋の臨時国会が、文字通り「日本の戦後史をかけた正念場のたたかい」となることは必至の情勢である。政府与党は「多数の力」をもって秋に予定される臨時国会で継続案件となった悪法の成立に並々ならぬ決意で示している。
全労連は今国会でのたたかいの教訓を力に、引き続き職場・地域からのたたかいを重視し、更なる国民的共同を追求してとりくみを進めていく。
全労連は引き続き、教育基本法改悪、国民投票法案を廃案に追い込み、憲法改悪策動を許さず平和・民主の日本と、われわれのめざす「もうひとつの日本」の実現にむけて、組織の総力をあげて奮闘する決意をここに表明するものである。
以上