中間答弁

熊谷事務局長

 3点に絞って中間的に答弁したい。

 第一は、臨時国会での労働法制改悪阻止にむけての要求スローガンについて。大きくいって二つの柱を明確にしてたたかう。それは、第一に政府案の廃案であり、第二には男女共通の法的規制の実現とその間の女子保護規定撤廃延期の二つだ。たたかいかたについては、あす整理して申し上げる。

 第二に、緊急雇用政策案について。事前に十分議論できるよう配布することができなかったことをお詫びする。何回か議論して練り上げてきたが、まだ議論が残されていることは承知している。要求案の練り上げの議論だけに終始するのでなく、運動のなかでそれぞれの産業や地方で具体化を練り上げてほしい。そのために案として提起した。

 当面の緊急要求と中長期的な要求が混合しているとの指摘について。現行制度は、日本経済の全面的な構造改革という事態を想定した法制度になっていない。したがって不備や不十分さがある。そこのところは最低限の改善を要求していくということで提起している。フランスで雇用拡大のための35時間労働制が成立していることなどに照らして、全労連が対外的に提起する政策案として当面の要求だけでよいのかということで時短による雇用拡大なども提起している。

 第三に、賃金闘争にかかわって。総括の項では、新たな賃金闘争の確立が求められていると書いており、方針部分では「大幅」の文言がなく、「最低規制」の記述があり、誤解をあたえるような記述になっていることをお詫びする。

 私たちの基本的立場は、大幅賃上げこそが労働者の生活改善と不況打開、日本経済のゆがんだ実態をただしていくという考えだ。しかし春闘共闘を含めても180万人、組織率が20%を切っている民間の組織実態のなかで、相手の攻撃をどう本格的に反撃していくのかという問題意識をもっている。現在の賃金抑制は不況だからにとどまっていない。構造改革のなかで売り上げが伸びなくても利益を上げる体制をどうつくるのかという戦略の重要な柱として攻撃がかけられてきている。数千万の労働者を視野に入れながら、同時に社会的なたたかいとして賃金闘争をどう広げていくのか。広範な労働者との共感をどううちたてていくのか。このことが重要になっている。

 「だれでも2万円」を追求してきたが、どこまで追求できているのか、社会的たたかいとしてどう前進させるのかの視点が重要になっている。来春闘までに議論が煮詰まるのかとの問題があるが、おおいに議論を深めて、合意を形成していきたい。