総括答弁

熊谷事務局長

 幹事会を代表して総括的な答弁をする。67人の代議員から積極的な意見をいただいた。 具体的な問題から答弁したい。「働く仲間のアンケート」とりわけパート向けアンケートの設問について、だされた意見を踏まえて幹事会として手直しをしたい。

 全国討論集会の開催地について、長野では開催できないことになった。日程は動かさずにあらためて会場を確定していきたい。

 全労連会館建設については、付属文書で示した所ですが、幹事会としては21世紀の日本の労働運動の砦としてその建設に全力をあげる決意です。土地の選定に時間がかり、みなさんにはご迷惑をおかけしているところですが、今年度中には着工したい。土地の特定や建設計画、資金計画など、建設委員会で討議していただき、組織内の合意を図り、評議員会で承認いただくことにしたい。計画が変更したとしても8億円の全労連分担はかわりません。なお、地方組織や組織外からの建設カンパを今年度もすすめ、その総額は8億円から差し引き、次期大会で単産賦課金を最終的に確定するようにします。全組織のご協力を重ねてお願いしたい。

 代議員の発言のなかで、子どもの問題、福祉の問題などで全労連への役割発揮にたいする期待と責任の大きさについて発言があった。全労連が頼りにされていることをしっかりと受けとめたい。同時に、全労連の頼りはみなさんと単産・地方組織であり、先頭に立って奮闘してほしい。

 高千穂電機の問題やアサヒ・コーポレーションの問題、また北海道や全国各地で渦巻いている企業倒産、解雇などによる労働者の深刻な実態のなかで日夜奮闘している報告があった。みなさんのご奮闘に心から敬意を表したい。地域の労働者のくらしと雇用を守るために全力でたたかい、そのことが全労連の権威を高めている。だれが労働者のためにたたかっているのかが問われている。まさに真価が問われている。

 対話と共同は、地方・地域組織の運動の基軸をなすものとして定着してきており、運動の新たな前進をかちとってきている。要求・運動・組織の面での多数派結集をめざして奮闘するために、このことを本大会の大きな確信にしたい。

 方針についての補強意見、具体化すべき意見は、新たな幹事会体制のもとで具体化し、実践したい。時間の関係で個々の問題についてはふれないのでご了承願いたい。

 議案のなかで重点課題を明確にしたが、相手側の全面的な攻撃のなかで多くの課題が山積している。今日の情勢に照らしてもっとも切実な要求を前面にだし、流れを変える環として重点課題を提起した。その実現に全力をあげたい。

 賃金闘争をめぐって、昨日の私の言い方が幹事会の意を十分表していなかったようだ。2・26や3・8を通じて国民春闘を発展させ、情勢の流れを変える橋頭堡を確実に築いていることを確信にしながら、大幅賃上げを堅持して、国民生活の改善にむけて、賃金闘争を国民的・社会的闘争にどう押し上げるのかが重要になっている。これが基本的問題意識だ。攻勢に転じる環はどこにあるのか。単産・地方の合意を重視して、あらためて提起する。引き続く討議をお願いしたい。

 当面するたたかいについて。今日臨時国会が招集された。首班指名がなされ、小渕首相誕生が確実といわれている。参院選の結果は、自民党政治の継続を許さないというのが国民世論であることを示している。これをうけとめて衆院の解散・総選挙を要求していく。首相の最大の課題は衆院を解散して民意を問うことだ。このことを突きつけ、全国的にうねりをつくりあげる。

 8月20日、国民大運動や東京などとの共同で消費税の3%引き下げを求める集会を準備している。民意を反映する政治をどうつくるのかとの視点から、先頭に立って集会成功で奮闘したい。

 臨時国会では悪法・悪政がごりおしされようとしている。われわれにとっては労働法制が最重点だ。方針の提案のなかでも申し上げたが、われわれの要求は、政府案の廃案と、男女共通の法的規制の実現とその間の女子保護規定撤廃の延期だ。これをかかげて、署名用紙をつくり直すことをふくめて運動強化のために補強をはかっていく。

 8月4日は、臨時国会の本格的な皮切りとなるし、「連合」が労基法改悪法案への態度を決める。この日の行動が大変重要になっている。9月2日にはストを含む全国行動を提起しており、これを節にして行動を強化してほしい。われわれの怒りを国会につきつけていこう。

 単産・地方の機関紙をみているが、労働法制が真正面からあつかわれているのかどうか疑問だ。単産・地方組織の機関紙は全労連が力を集中する課題をとりあげてほしい。法解釈をめぐって接近するのではなく、いまの労働実態を問題にしながら、これを合法化する法案を許さない、改悪を許さないという職場からの運動を強化して、国会行動へつなげていこう。重ねて強調するが、労働法制のとりくみの強化を強調したい。

 消費税3%引き下げの国民的運動をどうつくりあげるのか。全労連が主体となってどう運動をすすめるのか。みずからの要求と運動としてさらに方針を補強し、実践したい。地域各界連の活性化を含めて、先頭に立っていくつもりだ。

 臨時国会には不良債権処理、金融機関にさらに税金を投入する法案、新ガイドライン関連法案が提案され、こうした悪法を許さないたたかいを諸団体と共同してすすめていきたい。そして政府自民党を追い込み、解散に追い込んでいきたい。

 原水禁世界大会の成功の問題について。世界大会実行委員会は、8000人から1万人で準備しているが、いまの到達点は目標の半数にとどまっている。急いでとりくみをつよめたい。パキスタンやインドが核実験を強行するというなかで、核兵器は廃絶しかないという世論をつよめてほしい。海外代表が2倍に増えているのに、国内参加が半数というのは逆立ちしている。参加者数をどれだけ増やすかだ。さらなる手を打ってほしい。

 雇用問題について。明日、6月の完全失業率が発表されるが、マスコミによると4.3%だ。民間シンクタンクは余剰人員が434万人いると指摘している。10%賃金カットしても失業率は5.1%になると予測している。これにどう歯止めをかけるのかが重要になっている。緊急雇用対策案は今後補強する内容を含んでいるが、実践のなかで具体化し活用してほしい。サービス残業をなくして雇用を増やそうという呼びかけを地方・地域でおこなうことが重要だ。

 年金、医療について。年金問題では2項目を提起した。昨日ジャンボはがきをお配りした。厚生省が意識的に給付の引き下げか掛け金の引き上げしかないという世論誘導をしているなか、年金審議会へ要求を突きつけることが重要になっている。9月中に審議会はとりまとめをおこなう。そのスケジュールにあわせて早急のとりくみをお願いしたい。

 年金問題そのものについて学習会を開いてほしい。年金と医療を一体のものとして全組合員が参加する学習会を組織して、たたかいの理論武装をおねがいする。

 直面する課題として、中労委の課題がある。磯崎候補も発言した。目に見える運動をどうつくりあげるのか、委員の任命が偏向している、「連合」独占を許さないという声をどうつきつけていくのかが重要だ。当選させるために、われわれ自身が本気に追求していることを目に見えるようにしなければならない。労働省前行動も具体化する。団体署名はなんとしても1万以上にひろめてほしい。点検を含めて強化してほしい。中労委だけでなく地労委や地方最賃委員会などについても、行政の民主化のとりくみを強化してほしい。

 今日3時30分から全動労裁判の審理がある。重要な段階になっている。長期債務問題も国会で審議され、国鉄問題が国会で審議されこの時期に、署名など着実にとりくむことが求められている。「勝たせる会」の会員を増やすこともこの時期重要になっている。争議団とその家族を激励するために特段の努力をお願いしたい。

 当面するたたかいを実践するうえでも、多くの労働者、労働組合に共同を呼びかけていく。「連合」職場にたいして積極的に抜本要求と政府案の廃案を呼びかけることだ。中小企業の経営基盤の崩壊が悪政のもとですすめられており、中小企業家との対話と共同が重要になっていることが発言された。全国一般や運輸一般など全国のとりくみの教訓をひろげていきたい。

 要求闘争をひろげて、組織拡大に全力をあげて奮闘したい。中小企業に働く労働者とパートなど不安定雇用労働者のなかでの組織化を重視する。200万全労連を早期につくることを本格的に追求することを大会の総意として確認したい。

 地域労組について。未組織の受け皿をつくることが重要であり、特定の形態をつくることを前提していない。運動を通じてどう大きな固まりをつくるのかは検討すればいい。そのためにも10万人オルグと活動家の育成を追求する。

 参院選の結果を確信に、地域住民の要求実現に向けて、秋の県内総行動の実践が重要となっている。また来年の一斉地方選挙で奮闘したい。

 大会全体を通じて積極的な意見をいただいた。さらなる実践、方針の発展のために奮闘することを最後に申し上げ、答弁とする。