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発言要旨(1日目)
※以下に掲載している発言要旨はあくまでも大会会場からの速報です。
多少文章に不正確な部分があるかもしれません。ご了承ください。
新たな共同拡大の取り組み
久間代議員(福岡県労連)
新たな共同の拡大について報告したい。労働者国民に対する全面的攻撃かけられている今日の情勢だが、そのことが労働者の枠を超えた共同を生んでいる。福岡県でも戦争法反対でこれまでにない共同がつくられている。自治体労働者のなかでは、連合単組を含む10の組合が共同アピールを発表した。また、中央の動きにならって、福岡の航空・港湾労働者もアピールをだした。特に特徴的なのが、中立単産の動き。彼らがひとつにまとまって連合と県労連に対し、一緒に名前をだしてほしいと呼びかけてきた。これまでは、なんらかの形でつながりのあったところを対象に呼びかけてきたが、今度は航空連を中心にしながら、海員組合、私教連等、これまで仕掛けたことのない労働組合との共同ができてきた。
もちろん、航空連と県労連では、争議支援で関係があったが、戦争法反対アピールでは、航空連が事前の相談に快く応じてくれ、海員や私教連とともに連合に申入れに行ってくれた。時間がなかったので、結果としては共同アピールの形にはならなかったが、こうした動きは今後とも大事にしていきたいし、これからの大きな力になると確信している。
福岡には教育産別が県労連に加盟していない。しかし、今度の戦争法反対の中立単産の取り組みをきっかけに、私教連・市民団体から「30人学級実現の取り組みに県労連も入ってほしい」という申入れを受けた。これははじめてのこと。県労連としても大いに力を注ぐことにしている。ちなみに、この実行委員会は連合にも、連合単産にも一緒にやろうと申し入れたが、断られたとのこと。「県労連が入っていると連合参加が難しくなるのでは」との意見もあったが、「かまわない」との申入れだった。全労連がこれまで取り組んできた対話・共同の方針の正しさを実感している。福岡、あらたな共同をさらにひろげ、労働者国民の要求実現の先頭にたっていきたいという決意をもって発言としたい。
県民との共同を広げ、情勢を変えた「琵琶湖空港」署名運動
谷本代議員(滋賀県労連)
ちょうど1年前、知事選をたたかった。びわこ空港建設問題は知事選でも大きな争点となった。神戸での住民直接請求運動が大きな刺激となり、10月に滋賀の会を結成、13万人、12.3%の署名、600万ものカンパを集めた。住民直接請求運動の成功にむけて請求代表者に名前を連ね、事務局としても奮闘し県労連の役割を発揮した。
とりくみを通じて、「空港ノー」の県民世論をつくることができた。同時に県民の自治意識高めたと思う。年齢、支持政党を超えた大きな共同をつくろあげた。このとりくみは県議選にも大きく影響を与えた。情勢をも変えてきている。運輸省が「空港建設見直し」発言をしてきている。引き続き、会の運動を継続していきたい。
消費税を3%に戻し、不況打開の共同行動
北村代議員(生協労連)
議案の13頁、第5章の消費税減税、不況打開の取り組みを、ということで発言する。消費税が導入されて10年経つ。竹下内閣は高齢社会のために導入するといっていたが、導入の結果、はたして、これからの高齢化社会を安心して、豊かにくらせるものとなっただろうか。介護や年金を考えても不安はつのるばかり。生協労働者の調べでは、消費税によってこの10年に4人家族で240万円払っている。2年前の5%アップで7万4千円も負担は増えている。 国はぼろ儲けしているにもかかわらず、国民に見返りはない。不況で賃金はあがらず、失業者は増える一方だ。世帯主層の失業者が3.5%という数字はきわめて厳しいものだ。企業の倒産ということについて、我々労働組合も考えなければならない。商工ローン60兆円は本当に中小企業の救済にまわったのか。銀行は救済し、中小企業は見殺しで、中小下請け事業主の自殺者がふえている。地域振興券もまったくの無策だった。今や、労働組合が自らの手で不況打開をせねばならない、ということで98年は、1.大幅賃上げ、2.雇用拡大、3.不況打開をたたかった。これらを実現するためにはなんとしても消費税引き下げを、とたたかった。 しかし、国民投票の提起、意志統一の期間が短かったこともあり、成功したといえない。これにむなしさを感じる。生協労働者が取り組んだ店頭などでの3%署名、これがまだ実現できていない。なんとか実現しなければならない。昨日、各界連は新宿署名活動を行なった。こうした運動が、今、まさに必要になっている。2つやらねばならぬことをあげる。
1つは、今、国会で共産党、二院クラブ、自由連合が提案している消費税減税法案を審議させなければならない。2つ目は、消費税3%に引き下げさせる大運動が必要。年金改悪でさらに不況になること目に見えている。介護保険も不十分。収入の少ない人は、消費税でとられ、介護保険でとられ、ますます深刻だ。自自公の連立には何ら期待できないのはあきらか、我々の手で共同運動をおしすすめ、事態の打開をせねばならない。
大企業の横暴を許さず地域経済を守るたたかい、戦争法を発動させぬたたかい
梶川代議員(京都総評)
昨年にくらべ、不況が深刻であり、とくに地場産業が深刻な事態におかれている。観光産業にも影響を与えてきている。大企業の撤退とそれによる下請け切り捨て、工場跡地への大型スーパーの進出による地域経済破壊も進んできている。自治体はこれらを放置し、ゼネコン型の公共事業を横行させ町こわし、中小企業の疲弊を助長している。京都においてこれらの闘いは待った無しである。
リストラ「合理化」反対のたたかいとともに、地域での大企業の横暴規制にむけた闘いが重要であり、政府のリストラ促進の産業競争力強化施策についても財界と政府への対決について方針の補強をして頂きたい。
中小企業が圧倒的な京都では、中小下請け企業の経営者も視野に入れた対話と共同を広げる条件がある。地域経済の再生という観点から闘いの補強が必要。
この間の「戦争法」反対の共同を広がりを生かして、定期的な共同が必要であり、職場・地域からの労働組合への「平和闘争」の重要さがある。職場からの総団結で大告発運動をおこすことが大切であり、この点での補強もお願いしたい。
雇用・反失業闘争
佐藤代議員(北海道労連)
先程、小林議長は2千億円の特別交付金について、全労連の要求を部分的に実現している、公的就労に使えると発言した。この提起を受け止め、どういうたたかいを展望するかが問題。多様な要求をもつ労働者を結集できると。実際、変化が生じている。地域から、市町村・自治体を含め、対政府大闘争をおこすことができるのではないか。交付金は市町村に100%だされる。失業対策は、政府の責任で行われることが明らかとなった。失業者アンケート回答者の追跡実態調査。さらに公共部門における雇用創出のシンポを開催し、失業者に参加を呼びかけた。道庁当局と交渉し、何ができるか、課題整理に取り組んでいるところだ。
北海道では20代青年のうち1割こえる人が職安がよいしている。日本の政府はこれまで青年の失業問題をきちんととらえてこなかった。それが今や驚くべき速さで増えている。そこで、労働組合の失業対策に高い評価がなされている。失業者は「ひとりでもはいれる組合あれば入りたい」、「生活資金貸し付けに関心がある」、「再就職のための教育訓練に参加したい」など多くの要求をもっている。また、多くの失業者が積極的に組合の運動に参加すると意思表明している。労働運動の質をかえることができる。公的就労創出で無条件に、条件によっては5割をこえている。2千億円の交付金の評価をしっかりする必要がある。朝日新聞は、「後ろ向きの事業」と評価している。全労連も評価の問題を鮮明にするべき。
キャラバンは、改善方向をしっかり頭に描きながら、全国闘争を具体化する必要がある。北海道では110億円の交付金がくる。8月上旬の道議会で基金の条例、委託事業の事業計画ができる。そこに焦点をおいてたたかいを準備することが大切。全労連がこの取り組みを本当にモノにするんだ、という体制で取り組むことを要請する。
雇用・介護・戦争法の緊急3課題などについて
桜井代議員(茨城労連)
県内74%が2000円を超える介護保険料となろうとしており、介護水準についても「保険あって介護なし」という劣悪な状態が浮き彫りになってきている。現在この介護保険問題で民医連や社保協、新婦人などと共同で県内自治体へのキャラバン行動を準備している。こういう取り組みを全県的に展開するには茨城では初めて。成功させたい。
今年の労働相談が雇用・失業の深刻さを反映して、昨年1年間の相談件数を上回る73件の相談があり、そのうち21件が解雇問題だ。また今年の特徴は組合をつくってもたかうという労働者が増えてきている。
組織拡大の点では、女性部を昨年結成した。ガイドライン反対では婦人有権者同盟など日頃接点のなかった女性団体との共同をひろげ集会を成功させた。2つの地域労連も結成してきている。私鉄バスの労組が県労連に加盟、今後2万人県労連にむけて奮闘していきたい。
緊急重要3課題、春闘での底上げ方針と地域労連強化について
植田代議員(大阪労連)
最近、地域労組のある組合員が「ついに組合員になった」と誇らしげに語ってくれた。いままで、相談する人もなく、ひとりぼっちで悩んできたが、ついに仲間ができたこと、社会的つながりができたことのよろこびを率直に語ってくれた。大阪の地域労組は200人を組織してきた。
政府・財界の攻撃のなか、全労連の3つの緊急課題は大きな意味がある。この3課題では、かならず具体的な成果を上げていくことが重要だ。緊急雇用特別交付金の問題では、確かに、民間やNPOの仕事創出という弱点もあるが、公的失業対策をしなければならないほど、事態はすすみ、政府は追い込まれている。労働者・失業者の要求を結集してこの問題にあたらなければならない。しかし、大阪府はすでに7月中に自治体担当者の説明会をひらき、8月6日までに市町村からの要望をまとめて提出させ、10月から実施する、というように前倒しで実施しようとしている。我々は、いまからすぐにやらねばならない。
次に介護の問題。この間、2万件の事業所を訪問してきたが、介護に関する施設の人を含めた総対話・大運動をしなければならないと感じている。労働組合の体制はまだ不十分。学習の到達点を含め、地域での格差がある。
今回、賃金闘争で全国一律、底上げが提起されていることを歓迎する。しかし、この分野での成果はあまりでていないという反省面がある。最賃、底上げ運動では地域労連の役割が一層大きくなる。未組織の組織化とあわせ方針を大きく進めたい。
今回の方針では、全労連、地方労連、地域労連というラインでの具体的方針がなされている。しかし、これに単産がどう絡むのか。具体化してほしい。
リストラ反対闘争と組織拡大
種本代議員(静岡県評)
大企業のリストラ「合理化」攻撃に対するとりくみ方向についてもっと具体化してほしい。
この間、東芝・富士工場でのリストラ「合理化」を許さないたたかいの教訓は、(1)大企業・東芝の横暴許さず社会的責任を果たさせるたたかいとして、地域組織がその位置づけを明確にしたこと、(2)運動を住民や下請け企業・業者に広げ、地域経済を守る運動として地域運動として発展させたこと、(3)労基所交渉をはじめ、協力・共同の共産党が地方議会や国会での取り上げたことによる社会的世論化、(4)職場労働者の相談にのりながら、具体的なたたかいを激励してきたの4点だ。このたたかいは、いまヤマハ楽器の600人削減のたたかいも生きている。
組織拡大の点では、現在、3万1千人に到達した。この経験から2つの発展方向を提起したい。1つは、たたかう労働組合の姿を日常的に見せること。2つ目に拡大を推進する体制の確立だ。静岡で前進した組織の特徴は拡大計画とそれを推進する体制を確立して意識的に追求したことだ。
雇用・反失業闘争に関連して
泉代議員(全信労)
今、地域金融機関の整理・淘汰が強引に進められている。労働組合に対する組織攻撃、借り手である中小経営への攻撃の実態を報告する。7兆5千億円もの公的資金が大手15銀行に投入され、不良債権処理はひと段落し、金融不安はひとまず解消したといわれているが、その後、国民銀行や東京相和銀行などが相次いで破綻するなど、地域金融期間の破綻が相次いでいる。信用組合では、大阪弘容、紀北など全信労加盟の企業も含め破綻が全国で相次いでいる。信用金庫も4月に不動、玉野、神田の3信金が債務超過に陥る可能性ありとして破綻処理が発表された。
そもそも信用金庫・組合は営業が目的でない。会員企業の相互扶助を目的としてやっている。銀行では門前払いとなるような中小経営が取り引き基盤である。大手銀行がとらないリスクをひきとって努力している。この特性を大蔵省は無視し、大銀行と同じレベルで経営を判断し、地域金融機関再編に乗り出している。意図的な攻撃だ。金融再編はビッグバンをにらみ、中小金融の整理・淘汰をすすめ、大金融機関に資金を吸い上げ、投機運用させることにある。アメリカの戦略の一環だ。大阪府の金融再編計画では、7組合を3組合に再編する。1千600名全員解雇され、必要人員だけ再雇用とする、労働者無視の計画だ。不動信金では380名全員が解雇され、133名が再雇用。そのうち本採用は90名で、他の43名は嘱託。そのうち16名は解雇予告されるというスキームになっている。7.7にこの事業譲渡は違法・無効と大阪地裁に提訴し、8月13日の事業譲渡を前にたたかっている。
弘容労組では、170名全員解雇で再雇用はゼロ。「全信労の過激派労組は経営の根幹を揺るがす」という宣伝がなされている。たたかう労働組合嫌悪、みせしめ的攻撃だ。6月に弁護団含め対策会議、不当解雇への対応をしている。7.23には大阪労連の支援で全国から400名の参加で成功させ、大阪財務当局などに要請した。さらなる支援をお願いしたい。
失業者闘争及びじん肺根絶闘争について
成沢代議員(建設一般)
反失業・雇用闘争の先頭にたって奮闘していきたい。この間、東京春闘共闘と協力して6000人の失業者アンケートを集約してきている。新たな公的就労事業確立にむけてとりくんでいきたい。
トンネルじん肺闘争では、全国550市町村長の署名、橋本県知事も支持して頂いている。鉄建公団を社会的に包囲するたたかいをすすめてきた。全労連としてじん肺法の欠陥を克服し、じん肺根絶にむけて一緒にとりくんで頂きたい。
働くものの命と健康を守る活動について
土井大議員(大分県労連)
働くもののいのちと健康について。大分でも労働災害、過労死をなくそう、自らの問題として取り組もうとして、92年に大分センターを結成した。
当時の事務局長は地元ラジオに出演するなどして知名度をあげた。私自身が労災問題にかかわったのは大分日赤の看護婦過労死事件から。結局、過労死申請は却下されたが、その理由を監督署長が不当にもきちんと示さなかった。これを追及し、労基局長をひきだして不支給理由の開示をさせた。これが、今取り組んでいるタクシー労働者の労災認定にいきている。また、意見書作成にあたっては、全国センターから資料をとりよせるなど、全国センターの発足をいかすことができている。
労災問題には専門知識が必要。専門家を各地域につくらなければ運動は進まない。遺族にとってはまず労災認定をとることが重要だが、我々は、運動をすすめるなかで、労働者のいのちと健康を守ることが重要。いくら認定とっても、安全・衛生が進まなければ意味がない。全国センター発足を歓迎するとともに、全労連も主体的に運動をすすめてほしい。各県での活動家育成はかるという方針あるが、それは容易ではない。この問題は、思った以上に時間も人もとられる。全国的に県労連や産別担当者を集めた会議を開いてほしい。
震災被災者への支援について
森岡代議員(兵庫労連)
震災4年間の特徴は、国・自治体による大企業優先の復興と県民との間に「復興格差」が広がり、二極化を招いてきている。
地域経済が復興どころか、大企業の撤退やリストラ「合理化」によって崩壊の危機が進行してきている。6月の有効求人倍率が0.2倍という深刻な事態にまで陥っている。
99春闘では西宮で千趣会パート労組を結成、8割のパート労働者を組織している。
政府は2000年1月17日に「復興宣言」し、復興政策のうちきりを狙っている。
大会に震災復興、生活再建強化にむけた特別決議を提出した。満場一致での採択をお願いしたい。
部会結成と活動報告
長岡代議員(女性部)
昨年11月、大坂パート・非常勤部会を7千名で結成した。3年前、全労連パート週間の呼びかけにこたえ、700名で集会をひらき、学習と職場実態の交流し、パート労働者の間に感動と共感をよんだ。翌年も5百数十名で集会をひらくなか、年に一度の集会だけではなく、恒常的な組織づくりを、ということでパート準備会、部会へと組織づくりを進めてきた。部会を結成できた要因として3点あげたい。1つは、集会を500〜700名という規模で成功させてきたことに確信がもてたこと。2つ目は、大阪労連から人と財政を出してくれ体制がとれたこと。3つ目は、地域最賃が低く抑えられており、この現状を単産・単組の運動だけでは打破できないという認識があったこと。
この間、大阪府、大阪国税局に対し、最賃の引き上げや課税限度額の引き上げを要請してきた。最賃課税署名は現在2万筆以上を集めた。また、職場での宣伝活動を継続して行おうと話している。
地域労連・単組にパート・臨時労働者対策担当者の配置と、全労連にパート・臨時労組連絡会の設置をお願いしたい。