全労連第19回定期大会・特別決議

特別決議

国鉄闘争はじめすべての争議の早期解決めざす決議

長引く不況と大企業のリストラ「合理化」、産業再生法や商法改悪、会社分割法にみられる政府のリストラ促進政策、規制緩和のもとで雇用状況は三五〇万完全失業者が長期間つづくなど史上最悪の状況となっている。先の総選挙で自・公・保政治への厳しい国民の批判が下されたにもかかわらず、森政権は従来のゼネコン政治、国民負担押し付けの政策を推進しようとしている。
いま、全労連組織内でも金融ビッグバンに名を借りた全信労・不動信用金庫の企業譲渡、全労連・全国一般仲立証券の自主廃業など職場を丸ごと奪う攻撃や、NTTの持ち株会社化にともなう大「合理化」攻撃、日本IBMをはじめとする大企業職場での分社化、アウトソーシング、出向、転籍などで、全員解雇をはじめとするあらゆる労働者切り捨て、犠牲押し付け攻撃が進行している。日産村山工場閉鎖は日本における初めての多国籍企業による大規模なリストラ・工場撤退であり、雇用はもとより地域経済にも深刻な影響を与えている。中小企業の職場では親会社の横暴と銀行の貸し渋り、不況によって、経営危機を一層深めている。また介護保険の実施により、全国の自治体介護ヘルパーの解雇が続出している。司法の場においては、こうした労働者の長年の裁判闘争の中から築き上げてきた「整理解雇の四要件」を無視したり、骨抜きにするような反動的判決が昨年来、東京地裁労働部において相次いでいる。
こうした政府・財界の首切り「合理化」攻撃に抗して、全国のたたかう労働者と労働組合は職場・地域から反撃のたたかいを拡大している。日産では現地闘争本部を九十九年十一月から設置、雇用と地域経済を守るたたかいを展開している。五〇年ぶりの司法改革を機に、憲法が生かされた民主的な司法改革に向けての「提言」も発表してきた。
全労連と全労連に連帯する争議団の仲間のたたかいは、この一年間で大企業職場における職場の自由と民主主義確立、差別是正をたたかった関西電力争議の三十年ぶりの勝利解決、全国のパート・臨時労働者に激励を与えた丸子警報器、朝日新聞社による子会社つぶしとたたかい、親会社責任をとらせて勝利した東陽社など七〇件の争議が解決し、新たに百十三件の争議が発生した。現在、十七単産四十二地方組織で五〇二件の争議がたたかわれている。
「国家的不当労働行為」と位置づけた一〇四七名の不当解雇撤回をはじめとする国鉄闘争は、いよいよ重要な段階を迎えている。さらに、いまこそ、全労連に結集するすべての労働者・労働組合は、政府・資本の首切り「合理化」攻撃とのたたかいを強化すると共に、現に解雇・差別に真っ向からたたかっている労働者・争議団のたたかいを自らのものとして受け止め、たたかいの輪を広げることが求められている。
国鉄闘争をはじめとするすべての争議の一日も早い解決にむけ奮闘しよう。
右決議する
二〇〇〇年七月二十六日
全国労働組合総連合第一九回定期大会

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