全労連第19回定期大会・大会宣言
大会宣言
全労連第19回定期大会は、3日間の討論を通して結成10年のたたかいの軌跡を明らかにし、新時代を拓く大きな一歩を力強く踏み出した。
20世紀最後の10年は、わが国の政治・経済の将来をめぐる激しいせめぎあいの10年であった。全国各地で吹き荒れるリストラ「合理化」、賃金抑制・雇用破壊など、財界のあくなき利潤追求が労働者・国民に深刻な危機をおよぼしている。しかも政府はこれを全面的に支援し、新たで大規模な負担増を労働者・国民に押しつけている。これらが個人消費をいっそう冷え込ませ、景気回復を遅らせている。
切実な要求を基礎とする労働者と国民のたたかいは、財界とこれに支えられた自民党を着実に追いつめてきた。これに対し財界と自民党は、政治的基盤の崩壊を防ぐために「連立」による「数の横暴」と強権的な国づくりに走りつつ、独占・大企業の国際的な高蓄積体制をつくるために「行革」・規制緩和、「構造改革」の名による制度・政策の全面的な見直しと労働者・国民への犠牲転嫁を強行してきた。
しかし、こうした政治・経済はいま、労働者・国民との矛盾をいっそう深刻なものとしている。政治的には98年参院選に続いて6月の総選挙で、「数の横暴」による「自自公」「自公保」勢力に国民のきびしい審判が下った。経済的には、リストラ万能が新たな矛盾を拡大し、日本経済と企業活動のあり方が根本から問われるところまで来ている。平和の問題でも、沖縄をはじめとする米軍基地の実態が、基地撤去、日米関係の根本的見直しを求める世論を、国の内外に大きく広げている。
政治・経済・社会の歪みと矛盾が渦巻く職場と地域では、「すべての労働者・労働組合との大同団結」をめざす地方・地域労連、単産・単組の、昼夜を分かたぬ積極的なとりくみが内外の労働者を励まし、不況打開・雇用確保、社会保障の拡充、地域経済の振興、環境保全、米軍基地撤去など、一致する要求にもとづく共同を広げている。これを踏まえて全労連は、年金改悪阻止、「解雇規制・労働者保護法」の制定、日産リストラ阻止、国とJRの責任による国鉄闘争の全面解決を求める共同を具体化し、ILO総会への正式代表としての参加、中華全国総工会との交流開始など、国内外で社会的影響力を着実に強めている。
今大会が提起した「21世紀初頭の目標と展望」は、日本の労働運動100年の積極的伝統を受け継ぐ全労連が、21世紀という無限に広がるカンバスに描くデッサンである。それはすべての労働者・国民とともに、全労連運動の飛躍的前進と、日本の労働戦線の新たな統一への展望を拓く足がかりである。確信と気概をもって旺盛な論議を組織し、ゆるぎない「目標と展望」をきりひらこう。くらし・雇用・社会保障の充実、政治・経済の民主的転換、男女平等の実現をかちとり、すべての労働者・国民と共同し、憲法が生きる21世紀を拓くためには、これを推進する強い力と、共同への豊かな包容力、21世紀を担う青年の生き生きとした力をもつ、強大な全労連運動が必要である。パート・臨時・不安定雇用労働者、失業者などすべての労働者を視野に、一日も早く200万全労連を建設し、職場・地域から「対話と共同」を巻き起こすことである。そのためには、秋年闘争での「三大要求課題」をはじめ、大会決定の実践に、ただちに大きく踏み出さなければならない。
全労連第19回定期大会は、すべての労働者と働く国民の皆さんによびかける。20世紀末に渦巻くみんなの切実な要求と、21世紀に向かうみんなの希望を大きく寄せ合って、世界中の仲間たちとも力をあわせて、反動的な「日本改造」計画をねらう「自公保」政権の悪政を包囲しよう。「国民誰もが人間として、当たり前の仕事とくらしが保障される社会」の実現をめざして、いまこそすべての力を結集して立ちあがろう。
全国労働組合総連合第19回定期大会
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