全労連21回定期大会おめでとうございます。創設以来82年の歴史を持ち、全国に1600人の弁護士を擁する自由法曹団を代表して、連帯の挨拶を申し上げます。全労連の結成から15年、私たち自由法曹団の団員は、皆さんの権利のための闘いに参加をし、みなさんの弁護士として闘ってきました。今もそうです。
例えば、NTT11万人リストラ反対裁判,国公労連堀越事件の裁判、この2つの弁護団だけで、事件だけでも、概算150人の団員が活動している。つまり全団員の1割の団員はこの事件に投入されているというわけです。私たちは、司法改革の中で、どういう裁判制度になろうとも、どんな政治情勢になろうとも、労働者の人権なしにこの国に民主主義はない。闘いの中でこそ権利は守られ、民主主義が前進するということを堅く信じて、みなさんの勝利のために、断固総力を上げて、闘うことを冒頭まずお約束たいと思います。
憲法がどうなるかということは、私が弁護士になってから、42年闘ってきたどの闘いにも比べることのできない、いわば質の違う、天下分け目のたたかいだという風に思っています。憲法9条を主要ターゲットとする改悪は、言うまでもなく、日本を戦争する国にすることであります。イラク戦争の前線にイギリス軍同様、戦車を持ってイラクの人たちを殺傷する立場に私たちの同胞を立たせるということです。私は、自分の親兄弟、侵略戦争に参加した歴史を知っています。人を殺すことは、また自分の命失うこととして、そして団員として特に言いたいのは、戦争する国は必ず、民主主義を道連れにするということです。戦前の治安維持法はそうでした。戦前、闘う労働組合は全て抹殺されました。戦後は違うんだと。つい十数年前だと思いますが、私たちは、マスコミの言論を死刑をもって処罰する、そして井戸端会議や分会でのいろんな話を過失による秘密漏洩罪として、処罰するという、国家機密法の国会上程ということにぶつかりました。政党の後援名簿を刑罰をもって公表させるという、事実上、革新政党を半ば非合法化する国会上程が目の前という状況にも直面しました。我々はすばやく憲法を武器にして、これを阻止してきました。私も参加しました千葉信用金庫の女性差別是正の闘いであれ、東電のような職場の自由と民主主義の闘いであれ、私たちはすべて憲法を武器にして闘いました。
しかし、戦争をする国にするための憲法改悪に、国防の義務が明記され、愛国心が明記された時に、これらの法律が、今度は新しい憲法を武器にして実現できるか?ということは、これは私は目に見えて明らかだと思います。国防の義務はまた徴兵制度に該当します。つまり、私たちは、改憲を許すか許さないかというときに、文字通り、我々の人生をかけた闘いをすることを求められているのだと思います。
もうひとつ大事なことがあります。本当に、日本国憲法の値打ちをもう一回見直したい。もしこの憲法がすべて実現したらどうなるでしょうか。憲法にかかれている女性の平等が実現し、公務員のスト権が実現し、公務員の政治活動の自由が復活し、そして本来の優れた民主主義制度である議会制民主主義が小選挙区制のようなものは廃止していきたい、住民本位の地方自治が本当に実現したとき、21世紀の日本は、仮に資本主義ままでであっても、それは変わらなくても、画期的に、私たちの政治、私たちの新しい日本になるだろう。そのために、全力を尽くしたい。
自由法曹団は、8月に憲法を守る闘いについて、例のない2泊3日の大集会をします。これに打って出る。私たちが何をしようかを決めようと思います。「弁護士を呼ぶと条文ばっかり読んで使いもの道にならない」という声を脱却したい。新しい切り口で新しい訴えをしたいです。
例えばパワーポイントを使った学習会の講習会などをおこなう予定です。新型の武器を持って参上します。皆さんの草の根の職場の中で、弁護士が壇上から話すのではなくて、皆さんの職場と一緒に考え、職場の中にオルグナイザーが出るような学習会に私たちを利用してほしいと思います。
2.5のキャンドルナイトで防衛庁を包囲する計画したときに、東京の自由法曹団と、企画した東京の民主勢力は、どう逆さにしても1000人しかいませんでした。思い余って、全労連旗開きで、お祝いするんじゃなくて、助けてくれとお願いし、願いは聞き届けられました。
当日、4.2kmの靖国通りを埋め尽くした5000本のキャンドルの隊列ができました。その中で約7割は全労連の労働組合の皆さんでした。本当にありがとうございました。力をあわせれば、潜在する力があり、新しい力がある。憲法改悪阻止は大義であり、全ての国民の本心。団の存亡をかけます。けれども、1600人しかいません。私たちの力を生かせるかどうかは、皆さんの闘いに一緒に参加し、ともに連帯して闘えるかだと思います。その中で私は、自由法曹団の若い隊列が皆さんといっしょに今回の憲法を守る闘いに参加することで、10年、20年と続くであろう次の戦力を作ることを、団長としてそのことを望み、革新をします。ぜひ力をかしてください。
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