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全労連第22回定期大会(1日目) |
全労連第22回定期大会・国際連帯のつどい(2006年7月26日、東京)
海外代表の発言
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インド労働組合センター(CITU)
書記長 チッタブラタ・マジュムダル
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親愛な議長同志、代議員同志・兄弟のみなさん
はじめに私は、2006年7月26〜28日、東京で開催されている全労連第22回定期大会出席のための招待状を差し伸べてくださったことに私たちの心からの感謝をお伝えします。私の組織、インド労働組合センター(CITU)を代表して、本大会の代議員同志の皆さんに熱烈な友好のあいさつをお伝えすることは私の大きな喜びです。また、CITUが全労連との間に、今日の情勢ならびに新自由主義的・帝国主義的なグローバル化の攻撃に対する労働者階級の闘争の必要性についての私たち両組織のイデオロギー的な展望と理解に基づいて、長期にわたる強力な二組織間関係をもっていることを、私は大きな誇りを持って想起します。この機会に、私は、インド・グジャラート州における壊滅的な地震災害の復興計画、インドでの津波被災者、そして、インド・グルガオンのホンダ工場労働者の、ホンダ経営者と行政に対する労働組合権擁護の闘争に対して、全労連から差し延べられた連帯と支援に、私たちの深い感謝をお伝えします。
全労連は、新自由主義的グローバル化の攻撃、帝国主義勢力の覇権主義的な策動に対して、またとくに、米国率いる帝国主義連合の侵略による西アジア*での恐るべき事態の展開に対して立ち上がり、たたかいをすすめています。米国主導の帝国主義大国によるイラクへの侵略と占領に対する全労連の力強い反対の声もまた、世界ではよく知られています。米国の侵略によって西アジア情勢がさらに悪化していることは憂慮すべき重大問題です。これらの諸問題に対する取り組みを強めるとともに、私たちは、全労連がこの大会で、全世界の働く人々の民主主義、平和、進歩の大義のための勇者として立ち現れ、労働に対する資本の攻撃に反対する国際労働者階級の闘争の先頭に立たれることを期待します。
みなさんの大会は、国際労働者階級運動のまさに重大な、きわめて難しい時期に開かれています。一方で、資本の勢力は帝国主義的グローバル化の下で反労働者政策を推し進め、他方、これらの政策に反対する労働者階級の闘争もまた強まっています。ILO事務局長は、最近開かれたILOの第95回国際労働総会への報告の中で、労働組合運動に提起されている主要問題を次のようにとらえています。すなわち、「労働の不在、労働の質、労働職場の声、絶え間ないジェンダー差別、そして青年の受け入れがたい高失業」です。そして、これに対する人々の対応について、事務局長は「人々は家庭での対話の中で、投票所の記入台の上で秘密裡に、そして、必要なときには、街頭で力強く訴えの声を上げることによって反応を示している」と指摘しています。
帝国主義勢力は、世界銀行やIMF(国際通貨基金)、WTO(世界貿易機関)の多角的・多重的な仕掛けを通して発展途上国への侵害行為を絶えず強めています。その過程でこれら諸国の政治的・経済的主権はひどく傷つけられています。かれら帝国主義勢力は、全世界でその覇権的な力を確立するためにすべてをかけ、必死になっています。労働者階級運動はこの危険を根底から崩さないことには大変な事態になりかねません。
金融資本は世界を人質にして身代金を要求しています。多国籍企業は世界市場に侵入し、対外直接投資(FDI)は労働組合の権利抑圧の道具となっています。経済特区では労働組合の禁止が布告され、そうした地域で労働者は未開時代へと押しやられています。対外直接投資が雇用を生み出すという偽りのプロパガンダが行なわれています。実際には、対外直接投資は、合併・乗っ取りの時代にあっては、ジョッブ・キラー、すなわち雇用機会を失わせるものです。労働法制の弾力化の名の下に、当事国の支配組織は国際資本の圧力に屈し、労働組合の権利と労働保護法制を破壊しています。労働法制への攻撃は、世界の労働者階級運動の共通問題になっています。失業は世界中で危機的なほどに高い率に達しています。様々な手法によるアウトソーシングが雇用の臨時化を押しすすめ、同時に、失業問題をいっそう悪化させています。ILOとOECD(経済協力開発機構)の報告は、労働基準の重大な後退に対する対外直接投資の責任を問題とし、さらに、労働法の弾力化が対外直接投資の流入を増大させていることが社会的通念となっていることに留意して、それが人々の結社の自由、団体交渉権、民主的権利に影響を及ぼしていることを立証しています。給付規模の削減、労働者の掛け金と負担の増大、そして民営化による、年金をはじめとした社会保障制度への攻撃は、発達した国々と発展途上国の双方の労働者にとって憂慮すべき重大問題です。
私たちはこれまで、自国において、新自由主義政策に反対する闘争を続けてきました。私たちはいま、反グローバル化の統一した政治的結集体である「プラットフォーム」の結成をめざす労働者階級の闘争をすすめる課題を優先的課題としています。「労働組合実行委員会」の旗の下に、2006年7月25日、ニューデリーで開催された労働組合全国大会に参加したインドの労働組合は、2006年12月第1週に、全国規模の「ゼネスト」をおこなうことを共同で宣言しました。INTUC(インド全国労働組合会議)とBMS(インド全国労働連盟)はこのスト決定グループに含まれてはいません。
労働組合運動の「国際的統一」の問題に関する私たちの立場は、2006年4月23日、フランスCGTが開催した国際会議におけるわれわれCITU議長、M.K.パンデー同志の発言の中で明らかにされています。すなわち、
1) 世界労働組合運動の統一は、イデオロギーの違いにかかわりなく、労働者階級の直面する共通の問題に基づいて達成されるべきである。
2) 労働者階級の組織としての労働組合は、あらゆる形態の搾取を終わらせるために努力すべきである。
3) 国際労働組合運動は、一国に対するあらゆる侵略、経済封鎖、経済制裁および外国軍事基地に反対すべきである。
4) 労働組合運動は、新植民地主義に反対し、すべての解放運動を支持すべきである。
5) 労働者階級運動は、世界銀行、IMF、WTOの仕組みもとで発展途上国に押し付けられている新自由主義的グローバル化に反対しなければならない。
6) 統一した労働組合運動は、全世界で核兵器の全面禁止を要求し、現在蓄積されている核兵器はすべて廃棄されなければならない。
7) 労働者階級の世界規模での全的統一をめざして、世界労連および中華全国総工会との対話が開始されるべきである。
最後に、私は、アジア・太平洋地域における労働組合運動統一の巨大な潜在的可能性と重要性を考慮して、CITUと全労連が来るべき期日に、共同のイニシアチブをとることが可能であることに留意したいと思います。
貴大会の大きな成功を望みます。
※ 訳者注: 【西アジア】 アフガニスタン以西、トルコ以東の地域の通称。イラン・イラク・シリア・レバノン・イスラエル・ヨルダンやアラビア半島の諸国などを含めていう。西南アジア。(小学館「大辞泉」)
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