2月28日、東京ガーデンパレスで「労災保険の民営化問題を考える」労働安全衛生フォーラムを開催した。これは、全労連、働くもののいのちと健康を守る全国センター、東京社会医学研究センターが共催したもので、35団体62人が参加した。フォーラムは、政府の総合規制改革会議「第3次答申」が、「労災保険の民営化」を「今後の課題」と打ち出したのを受けて開かれたもの。 全労連の寺間総合労働局長が主催者あいさつを行なった。(あいさつ要旨) 元労働基準監督署署長の井上浩氏、弁護士の佐久間大輔氏、全労働省労働組合書記長の森崎巌氏が特別報告。 井上浩氏は、労災保険が民営化された場合の影響にについて、現在の認定水準も引き合いに出しながら、「保険料を安くするには認定を厳しくして給付を少なくする必要があり、いま腰痛や過労死など、認定の難しい作業関連疾患が増えているが、こういうところに被害が及ぶ」と指摘した。 佐久間氏は「労働者の過失を問わずに補償するのが労災保険。自動車の自賠責保険だと労働者の過失が問題にされて相殺されかねない」と述べた。 森崎氏は「総合規制会議のメンバーから人材ビジネスが潤う仕組みをつくろうとしているねらいを指摘。アメリカでは労災保険に人材ビジネスが関与する仕組みができあがっており、これをモデルに民営化をめざそうとしている」と指摘し、民営化を強く批判した。 職場・地域からの報告では、全国労災病院労組書記長の小池氏が全国37労災病院を30にする統廃合計画に反対するたたかいについて、化学一般労連顧問の野崎氏が民営化反対の署名の取り組みについて、神奈川いのちと健康センターの松本氏が2月に県も後援して「労災保険の民営化問題を考える学習会」を実施した経験を報告した。 フロアーからの発言では労災患者会の代表から「民営化反対の立場からもう少し論議を広げてほしい」などの要望がだされた。 |