第75回メーデー実行委員会
第75回メーデーに参加された皆さん、大変ご苦労様です。実行委員会を代表して、直面する幾つかの課題に触れてご挨拶とさせていただきます。
私はまず、さる4月28日に与党が衆議院厚生労働委員会において年金制度改悪法案を徹底審議もなしに強行可決したことについて皆さんとともに改めて満身の怒りを込めて抗議するものです。14年間も連続して保険料を引き上げ、その一方で年金の給付水準は引き下げ、国民の年金への不信と将来への不安を拡大する政府の年金制度改悪案は国民の7割が反対し、全労連をはじめすべての労働団体が廃案を求めています。しかも、内閣の要といわれる官房長官など小泉内閣の18人中7人の主要閣僚が年金保険料未納などの経歴を持っていたというのでは、彼らに国民の年金制度を見直し法案を国会に提出する資格など断じてないといわなければなりません。この異常な事態にマスコミでさえ社説などで「年金改革は超党派で改めて議論せよ」と主張しています。私は改めて皆さんとともに、厚生労働委員会での審議やり直しと年金制度の根本問題を徹底審議のうえで政府案を廃案にすることを強く要求すると同時にその実現に向けいっそう奮闘することを表明するものです。
第75回メーデーに参加された皆さん、小泉政権が発足してから3年を経過しましたが、「この国のかたちを変える」としてカッコづきの「構造改革」なるものを強引に推し進めてきた小泉政治の3年間は私たちに何を明らかにしたのでしょうか。
第一に指摘しなければならないのは、この政権ほど経済的にも政治的にもアメリカ言いなりで、アメリカと大企業の利益を何よりも露骨に擁護し、また、アメリカの軍事的世界支配戦略に日本を組み込み、国民生活の破壊と日本の平和や憲法を脅かしている政権はかつてなかったと断言できるほど小泉自公政権は戦後最悪の内閣であるということです。
そのことは、政府のリストラ支援策が労働者・国民のくらしや雇用、地域経済を破壊し、社会保障制度の相次ぐ改悪が将来への希望を奪っている他方で、大企業だけはこの3月期決算でも史上最高の利益を謳歌している事実や、国際的にも孤立しながら国民の反対を押し切っての憲法蹂躙の自衛隊イラク派兵強行や労働者・国民を強制的にアメリカの戦争に加担させる有事関連法案の企み、さらには、第9条を中心とした憲法改悪の具体的策動などからも明白であります。
第二に指摘しなければならないのは、したがって、私たち労働者・国民は小泉自公政権とその悪政のこれ以上の継続を断じて許すことはできないということです。この夏には参議院議員選挙も予定されています。いまこそ、私たちは力を合わせて労働者・国民のくらしや雇用、中小商工業や農業、日本の平和などを何よりも大切にする政治の実現にむけて、全国各地で草の根から政治革新を求める運動を大きく展開しようではありませんか。
「誰がやっても政治は変わらない」とか「自分は政治にかかわりたくない」などと、労働者や国民が政治の問題に傍観者的な態度をとっている限り、政治は変わらないし、結果としてそれは悪政を追認し容認することにつながっています。労働者・国民がその気になって力を合わせれば政治を大きく変えられることは最近のスペインの例を見るまでもなく、この日本においても全国各地での革新・民主の自治体実現などで多くの経験をしています。
第75回メーデー参加の皆さん、私たちのメーデーは戦前戦後の国内外のたたかう労働者・労働組合の積極的・戦闘的伝統を受け継ぐメーデーです。本日のメーデーには「郡上一揆」につづいて、秩父事件を描いた「草の乱」の製作を終えたばかり映画監督・神山征二郎さんも連帯の挨拶にお見えです。いまこそ、労働者・国民が力を合わせて「平成の乱」を全国各地から起こすことが求められているのではないでしょうか。
本日のメーデーをたたかいの新たな出発点として、メーデースローガンの実践、とりわけ、直面している年金制度大改悪や有事関連法案の成立阻止、さらには自衛隊のイラクからの即時撤退のために全力を挙げると同時に、きたるべき参議院選挙に向けて職場・地域から政治の民主的転換に向けての運動を大きく展開していこうではありませんか。
第75回メーデー万歳、働くものの団結・国際連帯万歳!
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