世界の野村証券を相手取って、男女賃金・昇格差別の撤廃を争ってきた野村證券労組・原告団(全労連・全国一般)は、10月15日東京高裁で和解が成立し93年に提訴して以来11年ぶりに決着。18日夜全労連会館で「和解報告集会」が開かれ多数の支援者や労組代表がかけつけました。
報告集会で、今野弁護士は「一審では、男女コース別人事制度は、違法・無効な制度と弾劾した。今回の和解内容は職位まで認めたものとして初めて」と評価。野村證券を決断させた背景に、03年ヨーロッパの投資適格情報提供会社「GES」が、東京地裁の判決を理由に投資不適格会社と発表。こうした国際的な批判をうけ野村證券ホールディングスは、今年4月、人権を尊重し、男女差別を行なわないとした倫理規定を定めました。
東京高裁の職権による和解勧告の前文及び和解内容。
☆「前文」は以下の通り。
「当裁判所は、原審及び当審における審理の結果のほか、国内外において男女差別の撤廃に向けた取組みが進められていること、第一審被告を含む野村證券グループにおいても、人権を尊重し、性別等を理由とする差別を一切行わず、平等な雇用機会を確保し、健全で働きやすい職場環境を維持するものとして、倫理規定を制定しこれを同グループのすべての役職員等が遵守すべきものとするなど、これに取り組んでいる状況を踏まえ、また、長年にわたって係争が続いている本事件が早期に、かつ、前向きに解決されるともに、引き続き、第一審被告において、男女を問わず上記倫理規定に謳われているすべての役職員等にとって差別のない働きやすい職場環境が維持発展されることを期待して、職権で和解を勧告する。」
☆「和解内容」は以下の通り。
1.会社は、既に定年退職した原告10名を除き在職する原告3名全員について一般職掌から総合職掌指導職1級(職位の呼称は課長代理)に転換、昇格させる。
2.会社は原告らに本件解決金として金一封を支払う。
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