全労連は、1月27日から2日間第36回評議員会を開催。誰でも1万円以上、時給50円以上の引上げを始めとする賃金要求基準を含む「05春闘方針」を決定した。05春闘では、「全労連統一要請書」運動や大企業の責任を問うCSR運動など新基軸を打ち出している。また同評議員会では、全労連の定期刊行物の改定と移行計画案も採択。さらに、役員の一部改選が行われた。
冒頭、熊谷金道全労連議長は、政府・財界の改憲をめぐる歴史的攻防や大企業が過去最高の利益をあげながら賃金抑制姿勢を強める日本経団連の報告を批判し、「世界に目を転じるならば大きな変化が生まれている」と、アメリカ一国覇権主義への批判の動きを紹介し、「歴史的転機を迎えている05国民春闘にあたって『もう一つの日本は可能だ』という大きなスローガンをもとに立ち上がろう」と訴えた。
幹事会は、「05年春闘方針」案、「『情報システムの改革』に基づく定期発行物などの移行計画」案、「04年度上半期決算報告」と「会計監査報告」を提案。05春闘の統一要求基準は、(1)「誰でも1万円以上の賃金引き上げ」(2)「時給50円以上の引き上げ」(3)「月額15万円、日額7400円、時給1000円以上」の最低賃金を提起。すべての職場で「全労連統一要請書」提出運動を行うこと。大企業などのCSR(企業の社会的責任)を求める運動強化として「企業通信簿運動」「働くルールチェックリスト運動」に取り組むことにしている。
第2号議案として提案した「定期発行物の移行計画案」は、ホームページなどのIT分野での情報提供を拡充。「月刊全労連」の改善、「全労連新聞」をタブ8頁から4頁、月1回刊に4月度から変更するもの。
2日間で27人の評議員が積極的な意見で方針を補強し、提案された第1号議案を始めすべての議案が満場一致で採択された。
また、評議員会では岩佐俊明副議長と阿部勝幹事の辞任に伴う役員補充選挙が行われ、副議長に植田保二(大阪労連)、幹事に菅原均(東京労連)の両氏を選出。春闘スタートにあたって決起を呼びかける「春闘アピール」を採択した。
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