憲法改悪反対共同センターは、12月23日に全労連会館ホールで「憲法闘争の発展をめざす第3回全国交流集会」を開き、191人が参加。27人が発言し、各地の取り組みを交流。全国の仲間が激励され、重要な年となる06年を前にたたかう意思統一の場となった。
全商連の国分稔会長が主催者あいさつし、日本共産党の笠井亮衆議院議員が連帯あいさつ。「九条の会」事務局長の小森陽一東大教授が「九条の会」の運動について、自由法曹団の大崎潤一弁護士が国民投票法の問題点と今後の展開について講演した。新婦人の高田公子会長が閉会あいさつした。
小森氏は、さまざまな九条の会が結成され活動しているが、結成までの仕込みと仕掛けが重要で、従来の運動の枠を越えて住民の中に広がりを作れるかが、結成後の運動を質的にちがうものにしていくと述べた。そして、「九条の会」結成アピールを今の情勢にあてはめて伝えていくこと、本気で全戸訪問に足を踏み出し、マスメディアなどでマインドマネージメントされた人たちの意識を「9条を無くしてはためだ」という方向に変えていかなければならないと強調した。また、「九条の会」と「共同センター」の運動は車の両輪、スクラム組んでやっていきたいと述べた。大崎氏は、国民投票法は改憲への一里塚だと述べ、与党案の(1)ワンパッケージ方式(条文ごとでなく一括して○×をつけさせる)、(2)マスコミ規制、(3)運動規制などの問題点について指摘。運動の規制などヨーロッパでは考えられないことであり、改憲にそもそも問題があると述べた。
全労連の西川征矢副議長が基調報告。情勢や「共同センター」の運動の特徴にふれ、今後の運動について、(1)「自民党改憲草案」「国民投票法案」などをテーマにした学習(そのための『新憲法リーフ』を作成)(2)地域・職場と国会をつなぐ波状国会行動(3)2〜4月を草の根からの宣伝と署名推進月間とする(4)5月を国民的一大行動月間とする(5)全自治体を網羅する九条の会の結成をめざす(6)運動交流の促進を提起した。
討論から
「大阪府下の医療品メーカー・卸、医材ディーラーなどで作る『平和を守ろう OM九条の会』発足のつどいを10月19日に開催し、180社から370人が参加。社長や企業の幹部が準備で奮闘。いまこそ企業の中に取り組みを広げる必要がある」(大阪民医連)、「5月に農林水産九条の会を発足。県・ブロック別での会の結成、過半数署名に取り組む」(農民連)、「国際交流を重視。外から見た日本や9条について考えることも重要。講師活動を積極的にやっていきたい」(自由法曹団)、「普通の学生が憲法守れと声をあげられる組織としてアーティクル9を結成。ビラ配布や商店街にポスターを貼らせてもらったり、個人がブログに載せたりといろいろな形で広がり700人が参加し、集会が成功した。今後、改憲派のサークルとの討論会などもやりたい」(早稲田大学学生)、「各分野や全市町村での9条の会結成を5月までに意識的に追求する」(福島)、「自治労なども入る緩やかなネットワーク福岡県連絡会で憲法フェスタを成功させた」(福岡)、「高知9条の会を107人の呼びかけで発足。元自民議員も名を連ねている」(高知)など、9条の会の広がりやさまざまな取り組みなどが報告された。
参加者からは、「大変参考になった」「激励された」との声が寄せられ、自民党が改憲草案を出し、改憲派と護憲派どちらが国民に支持を広げるか、しのぎを削る06年に向けて、貴重な交流と意思統一の集会となった。
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