06春闘の回答指定日である3月15日、全労連は厚生労働省に対し、「厚生労働行政に関わる重点要求」について要請・交渉をおこなった。
交渉では冒頭、全労連・熊谷議長が要請趣旨をふくめあいさつ。熊谷議長はあいさつで、「格差」問題にふれ、小泉内閣による労働分野での規制緩和推進が、雇用の維持から流動化への大きな流れをつくってきていると指摘。とくに労働者の3分の1をしめる非正規労働者の増大や高止まりの青年の失業率、パート労働者の実態など雇用や所得、地域間格差についてふれ、このような状態を打開するため、実効ある厚生労働行政をおこなうよう強く求めた。熊谷議長のあいさつをうけて、厚生労働省の太田政策統括官は最近の雇用状況に改善がみられる点をあげつつ、残された課題として(1)若年者雇用、(2)地域間格差、(3)非正規雇用の増加等であるとし、全労連と同じ共通認識にあるとし、とりくみを重視していきたいと表明した。
引き続き、厚生労働省からの回答をうけて、(1)中労委労働者委員の選任問題、(2)公務員制度問題、(3)JR不採用1047名問題の早期解決等について意見交換をおこなった。
意見交換では、今年秋に予定される第29期中労委委員の選任問題について、坂内事務局長は第29期任命にむけて、国内的にも国際的にも新たな状況((1)労働審判員選任の方式、(2)国立病院の独立行政法人化にともなう組織人員の変化、(3)昨年11月に出された3度目のILO勧告、(4)労働組合国際組織の統合問題)が生まれていることを列挙。こうした新たな状況の変化をうけて、第29期委員任命に対する厚生労働省の見解をただした。
これに対して、太田政策統括官は「委員任命にあたって、全労連の主張もふくめ、総合勘案していきたい」とのべるにとどまった。
また、公務員制度問題では、1月16日の政府と連合による政労協議以降、労働基本権をふくむ公務員制度問題が急速に進展していることにふれ、労働基本権問題は全労働者的課題であり、中労委問題と同様、労働行政の中立・公平性が問われていると厚生労働省の姿勢を正した。これに対し、厚生労働省は「具体的内容についてはこれからであり、全労連の意見について内閣官房に伝えていく。今後幅広く各層の意見を聞いていきたい」とのべた。
なお、要請交渉には厚生労働省から太田政策統括官(労働担当)や川口労政担当参事官をはじめ労働基準局勤労者生活部、労働政策担当参事官室等が出席。全労連側は熊谷議長をはじめ國分・田中・西川副議長、坂内事務局長、岩田・宮垣両事務局次長らが出席した。
「重点要求」については、別紙のとおり。
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