【談話】教育基本法改悪法案、防衛省関連法案など憲法改悪につながる悪法の実施は許さない
―第165臨時国会の事実上の閉会にあたって
2006年12月15日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和
本日、第165臨時国会が事実上閉会した。今国会では、「教育の憲法」たる教育基本法の改悪法案、自衛隊の海外派兵を本来任務化する「防衛省」関連法案などの採決が強行された。日本国憲法に違反するこれら悪法は、国民の付託に応えた審議がないまま、国会内の数を頼みに採決されたものであり、満身の憤りを持って抗議するものである。
教育基本法改悪法案は、愛国心などの徳目を掲げて子どもや国民の内心の自由に国家が踏み込み、国家が無制限に教育に介入していくなど、重大な問題点を持っていた。しかし、政府・与党は、徹底審議と廃案を求める圧倒的国民の声に背き、論拠が完全に破綻しているにもかかわらず、採決を強行した。改悪教育基本法は、「いじめ」や不登校などの解決につながらないだけでなく、子ども、保護者、教師、学校を巻き込んでいっそう競争・格差を激化させることは明らかであり、断じて容認できない。
政府は、日本国憲法の19条(思想及び良心の自由)、23条(学問の自由)、26条(教育を受ける権利、教育を受けさせる権利)などに違反しているとの指摘には、まともに答弁できないにもかかわらず強行成立させたが、全労連は改悪教育基本法の実施や関連法の整備を許さないとり組みを引き続き強めるものである。
全労連は、今国会を通して、教育基本法の改悪に反対する広範な国民・諸階層と連帯してあらゆる取り組みを全国各地で展開してきた。空前の規模の運動の広がりに比例して、国民世論は日ましに高まり、改悪勢力をぎりぎりまで追いつめる大きなうねりを築きあげた。この到達をさらに発展させ、政府与党の悪政から国民のくらしと福祉、平和と民主主義を守る運動の先頭に立つものである。
安倍内閣は、国民の支持を急速に失いつつも、米国や財界と一体となって、労働法制改悪、“庶民増税・大企業減税”の「逆立ち税制」を狙うなど、貧困と格差をいっそう深刻化させようとしている。さらに、憲法改悪にむけての動きを加速させている。
全労連は、年末から来年にむけ、安倍内閣の悪政と対峙し、引き続き職場と地域から全力をあげ、来年の統一地方選挙、参議院選挙では、安倍政権に対する国民の審判を下し、安心・安全の社会をつくるために総力をあげるものである。
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