【談話】2007年度予算政府案の成立にあたって
2007年3月27日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和
1.自民、公明の両与党は昨日、野党の反対を押し切って2007年度予算案(82兆9,088億円)を参議院本会議で強行に可決成立させた。
07年度予算は、大型公共事業や軍事費の無駄づかいを温存し、大企業には大幅に減税する一方で、定率減税の全廃や生活関連予算の削減など、国民に負担と犠牲を押し付けるものであり、断じて許しがたい。
2.財界・大企業に対しては、減価償却制度「見直し」で新たに7千億円の減税を行ない、株式売却益で大もうけを上げる大資産家優遇の減税措置(約1兆円分)を期限延長するなど、庶民の負担増に匹敵する1・7兆円もの大企業・大資産家への減税を行ったことは、「貧困と格差」を拡大する最悪の予算である。
軍事費では在日米軍再編経費を初めて計上するとともに、「ミサイル防衛」関連経費に過去最高の1,826億円を注ぎ込むなど、アメリカに大判振る舞いの予算となった。
3.格差と貧困の是正が緊急の課題であったにもかかわらず、中小企業対策費は前年並みの1,625億円に押さえ込み、地方交付税は7,000億円、失業対策費は2,215億円削減し、生活保護費の母子加算は3年間で420億円削減することとなった。07年度予算は、国民の願いとは逆に貧困と格差拡大、高齢者と弱者切り捨て、中小企業と地方切捨て、労働者・国民いじめの予算であり、安倍首相の「再チャレンジ」「底上げ戦略」は完全な看板倒れの国民を欺くものでしかないことが明らかとなった。
4.全労連は、後半国会において安倍自公政権の進める改憲手続き法案、教育関連法案、在日米軍再編法案などの廃案をめざして職場と地域から全力でたたかい、消費税大増税、改憲阻止、貧困と格差是正のために政治の革新をめざして奮闘する。
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