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【談話】地方公務員法等の一部改正法案の閣議決定について

 1.政府は本日、地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律案を閣議決定し、国会に提出した。先月24日に閣議決定し、翌25日に国会に提出した国家公務員法の一部改正案に倣い地方公務員法も同様の趣旨で「改正」しようというものである。
 そもそも今回の公務員制度「改革」は、「戦後レジュームからの脱却の中核」(3月27日、経済財政諮問会議渡辺行革大臣提出資料)と位置付け、安倍総理がめざす「美しい国」を創る担い手の中に(4月13日、公務員制度改革に関する政府・与党合意)位置付けられている。そのことから当然の帰結として、国民の立場からの改革ではないことを指摘しておかなければならない。

 2.「改正案」の柱は2つある。一つは、能力・実績主義の人事管理、もう一つは再就職管理の適正の確保である。
 前者についていえば一つは能力本位の任用制度の確立、二つは新たな人事評価制度の構築、三つは分限制度の「改定」である。これは、2001年12月の「公務員制度改革」を踏襲しており、労働基本権を制約したまま、労働条件についての使用者側の関与を強化しようとして頓挫したことへの反省がまったくないことを指摘せざるを得ない。しかも、メリットシステムによる職への評価から個人への評価への変更に何らの合理性を見ることができない。さらに、分限処分の強化は、使用者による管理・統制を強化するだけの強権的な支配体制を確立するという憲法の要請と相容れないものと言わざるを得ない。
 後者について言えば、一つは再就職あっせんの規制、現職職員による求職活動の規制、二つは退職職員による現職職員への働きかけ等に対する規制、三つは罰則の整備、四つは監視体制の整備の「改定」である。基本的には「天下り人材バンク」を設置しないことを除いて国家公務員法の一部改正案に倣っているが、そもそも地方公共団体において都道府県等の大規模団体のごく一部の管理職を除いて、いわゆる国家公務員の「キャリアシステム」と呼ばれているような「天下り」に倣ったものなど存在しない。むしろ、市町村段階では、地域の求職事情との関係で定年退職時まで働けない地方団体さえ存在する。監視体制については人事委員会又は公平委員会に委ねることになるが、その実効性に疑問の余地があることは否めない。

 3.そもそも公務員制度は、公務員にとっても重要な課題であるが、より本質的には行政サービスを受ける国民・住民の問題である。
 三度にわたるILO勧告と憲法原則に基づく公務員制度改革がより強く求められており、われわれは国民とともに国民本位の民主的公務員制度の確立のため全力を尽くす所存である。

2007年5月29日

全国労働組合総連合
公務員制度闘争本部 本部長・小田川義和

 
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