TOP 全労連紹介 ニュース オピニオン 労働法制 賃金闘争 憲法・平和 くらし・社会保障 非正規全国センター 全労連共済 青年 女性 English
 
BACK
TOP
オピニオン
 

【談話】党利党略の国家公務員「改正」法案は廃案に
法案の衆議院での強行採決にあたって

 本日の衆議院本会議で、国家公務員法「改正」法案の採決が、自・公両党によって強行され、参議院に送付された。
 同法案について全労連は、「天下り自由化」「キャリア合法化」をねらうものであり、「政官財ゆ着」に対する国民の批判に全く応えず、公務運営を今以上にゆがめるものであるとして、強く批判した。
 衆議院段階での不十分な審議の中でも、政府は、「官民の人材交流の活性化」が法案の最大目的であることをあからさまに述べている。財界・大企業と政策立案過程を担う一部官僚とのゆ着が談合の温床であり、「構造改革」強行による労働者・国民への一方的な「痛み」押しつけの背景にある。法案は、官と財のゆ着を公認するものに他ならない。全労連は、国民世論に逆行する法案を認めることはできない。

 国民の多くは、教育や社会保障など生活の基盤を支え、安全・安心を確保するために、政府が積極的な役割を発揮するよう求めている。そして、それらの分野も含め、中立・公正な行政運営を担う専門的な職業公務員に期待を寄せている。
 法案は、公務員の役割を政策立案に重点化し、実施部門における公務員に、官民人材交流に名を借りた人べらし「リストラ」や、能力・実績主義強化による「ノルマ主義」の押しつけで、「悪法実施者」への変質をせまることが懸念される。それは、東京都教育委員会に特徴的に示される教員と生徒、児童への「日の丸・君が代」強制の実態をみれば、当然の懸念である。
 全労連は、公務員が、憲法に規定する「全体の奉仕者」から、政権や主張に隷属する「使用人」とされることを黙認できない。

 法案の採決強行は、参議院選挙の目玉づくりに四苦八苦している安倍首相の強い指示が働いたと言われている。
 公務員制度は、公務運営に直接影響する行政運営の基本法である。公務員の労働条件のみを定めているわけではない。しかし政府は、直面する参議院選挙目当てという目先の「利益」で法案を策定し、国会に提出し、まとも法案審議もおこなわないまま、数の力で採決を強行した。このような一連の経過は、安倍内閣の独善的な性格を明らかにしている。
 政権に対する国民的な支持が急落している今、全労連は、法案の内容と衆議院審議で明らかとなった問題点を国民世論に訴え、国会闘争を強化し、廃案をめざしてたたかう。

2007年6月7日

全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和

 
〒113-8462 東京都文京区湯島2−4−4全労連会館4F TEL(03)5842-5611 FAX(03)5842-5620 Email:webmaster@zenroren.gr.jp

Copyright(c)2006 zenroren. All rights reserved.