昨日19日、政府は、「『美しい国』へのシナリオ」との副題の付いた「経済財政改革の基本方針2007(骨太の方針2007)」を閣議決定した。その内容は、(1)さらなる生産性の引き上げを目的としたサービス産業などの整備や労働市場改革、(2)EPA(二国間などの経済連携協定)締結促進などの日本経済のオープン化、(3)公務員制度「改革」や道州制などの地方分権を内容とする行財政システムの革新、(4)「教育再生」などを柱とする「美しい国」の人づくり、などを通じて「新しい日本の国づくりに挑む」としている。
「骨太の方針2007」の先に見える日本は、国民収奪をさらに強めたいと願う財界大企業と、戦争をする国家の利益を最大の価値と位置づける靖国史観の亡者にとっての「美しい国」であり、格差の拡大に怒り、貧困化に苦しむ労働者・国民には、負担増と弱肉強食の「ジャングルの競争」が待ち受ける「棄民の国」にほかならない。
全労連は、このような国づくりに、黙しているわけにはいかない。断じて認めるわけにはいかない。
(1)「最低賃金・時給1000円」要求を高く掲げ、労働者を使い捨てにする雇用破壊に反対するなどの働くルールの確立、(2)最低保障年金制度の確立、年金記録消失事件の国の責任による解決と医療・介護制度の充実など社会保障拡充、(3)愛国心教育など改憲と一体の教育改悪反対、などを掲げた取り組みを通年的に取り組む。
消費税税率引き上げなどの庶民大増税や、「歳入と歳出の一体的改革」の名による公共サービスの切り捨て、民営化に反対し、国民負担の軽減と医療・介護関連予算の充実を求めるなど、2008年予算編成ともかかわる諸課題でのたたかいを引き続き強化する。
全労連は、目前に迫った参議院選挙ともかかわって、安倍内閣が進めようとする「新しい日本の国づくり」の危険性を暴露し、悪法ごり押しと戦争国家への転換のみを優先する国民不在の政治の実態を国民世論にも訴え、政治の国民的転換を強く求め、労働組合としての選挙闘争を強める。