国民の審判を受けた「安倍自公政権」は退陣すべきだ
−第21回参議院選挙の結果を受けての談話−
2007年7月30日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川 義和
7月29日投票でたたかわれた第21回参議院選挙は、改選121議席のうち、与党の自民党、公明党の獲得議席が47にとどまり、非改選議席をあわせても105議席と、参議院での過半数を大きく下回った。自民党は、参議院第一党の「座」を民主党に明け渡した。
このような選挙結果は、大企業を優遇し、格差と貧困を拡大し地方を切り捨ててきた構造改革に対する国民の批判・不満が、年金問題や「政治とカネ」の問題などを契機に一気に吹き出したものであり、大企業本位の「成長戦略」、構造改革の継続、「戦争する国」への改憲を進める安倍政権への国民の厳しい審判である。
全労連は、国民の審判を受けた安倍内閣の早期退陣を強く要求する。
安倍首相は、選挙結果をふまえても、なお、「(成長戦略などの)基本路線には(国民の)ご理解をいただいている」と開き直り、政権維持に固執している。
選挙期間中、安倍首相は、憲法問題を争点化することを避け、消費税率引上げ問題でも実質的な争点隠しに終始した。そのようなごまかしを見抜いた国民が、格差と貧困を拡大する「成長戦略」も、9条改憲をはじめとする改憲も支持しないという意思を表明し、「政治とカネ」の問題へ真摯な対応もせず、政治家としての資質すら疑われる閣僚を任命し続ける安倍首相の政治姿勢を批判したことが、選挙結果である。
開き直りの理屈で、政権に固執する安倍首相の姿勢は許されることではない。
全労連は、今回の参議院選挙にあたって、(1)「戦争をしない、参加しない日本」をつらぬくこと、(2)働くルールを確立し、格差と貧困の是正をはかること、(3)安全・安心な地域社会を実現することを重視し、「三つの基準」での候補者選択を組合員に呼びかけた。
選挙では、「消えた年金」問題や透明性を欠く政治資金問題が表面的な争点になり、争点隠しもあって、「三つの基準」での国政選択が行われたとは言えない。
「三つの基準」による国政選択は、労働者のくらし、働き方ともかかわって、極めて重要な課題であり、取り組みをいっそう強める必要がある。
全労連は、参議院選挙にあたって、要求実現の立場で奮闘された全国の仲間に、敬意を表明する。
同時に、最低賃金「時給1000円以上」の実現をはじめとする貧困化にストップをかける運動や、教育・医療・福祉などの公共サービス充実を求める地域からの運動、「憲法9条まもれ」のたたかいをより強化し、「三つの基準」による国政選択の「場」を主体的に作り出すため、組合員の引き続くたたかいへの結集を呼びかける。
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