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【談話】無責任きわまりない政権「投げ捨て」を糾弾する
     −安倍首相の辞任表明にあたっての談話−

 本日、安倍首相は突然の辞任表明をおこなった。国会で所信を表明した直後に、「政策を進めていくのが困難な状況になった」との理由で、政権を投げ出すことは、一国の首相としてだけでなく、政治家としても無責任きわまりない行為である歴史的愚行を厳しく糾弾する。

 安倍首相を担いだ自公政権には、7月の参議院選挙で国民の審判が下っており、それに従えば選挙直後に内閣は退陣すべきであった。しかし、安倍首相は、消えた年金問題などが参議院選挙敗北の原因で、基本政策は支持されたとの独善的な無謬論にたち、8月末に内閣改造をおこなって、政権の延命を図ろうとした。
 しかし、内閣改造後も、閣僚の不祥事が相次いで明らかになった。加えて、「職を賭す」として成立をめざそうとした「テロ特措法」延長などへの野党の協力が見込まれないことが確定的になり、行き詰まった結果の辞任表明である。国民に対する責任のかけらも感じられない。

 政権にしがみつき、八方ふさがりとなっての辞任という私情による政権運営を認容した自公両党も同罪であり、無責任政党のそしりは免れない。政権党として信頼できる状況ではなく、自民党総裁選挙などの内輪の対応は行わず、衆議院を解散して、国民の審判に服することが唯一の選択であることを主張する。
 なお、政権を維持させることで、大企業奉仕の政治の継続を露骨に求めた日本経団連などの財界団体も、猛省すべきである。企業献金を通じた政治介入はやめ、経済財政諮問会議を通じた行政への直接介入も自粛するなど、政治的混乱に荷担した責任を取るよう強く求める。

 政府の統計でも明らかになっているように、経済的格差の拡大と労働者・国民の貧困化は進行し続けている。貧困化に追い打ちをかける社会保障改悪や庶民増税の具体化が今日も続いている。このような時期にあることを強く認識し、政争に明け暮れず、国民生活の関係での政策を競い合い、国民の選択に委ねることが民主主義の大道であり、衆議院の解散、総選挙の即時実施を重ねて主張する。

2007年9月12日

全国労働組合総連合(全労連)
事務局長  小 田 川 義 和

 
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