【談話】日本政府と進出企業は、ビルマ軍事政権の国民弾圧の中止を求める行動を
ビルマ(ミャンマー)で、燃料引き上げを契機に、僧侶と市民による軍事政権反対の行動、デモ行進がヤンゴンを中心に広がり、これに対し、同国政府の治安部隊、民兵組織などが、デモ隊への発砲をおこない、多数の死傷者が出るという事態が発生した。
市民的自由に対する国家権力の暴力行使は、いかなる理由があろうとも認めることはできない。事態の発生と、現在も進行していることに、全労連は深い懸念を表明し、強く抗議する。
全労連は、ビルマ軍事政権に対し、市民弾圧の即時中止を要請する。
同時に、日本政府および、ビルマに進出している日本企業が、その影響力を行使し、ビルマ軍事政権に対し抗議し、自制を迫るなどの行動を取るよう要請する。
ビルマでの事態は、憂慮すべき状況が日々進行している。27日には取材活動をしていた日本人ジャーナリストが発砲の犠牲になり、報道と表現の自由の抑圧が、極限に達していることも明らかになった。猶予できない状態にあり、日本政府などは、即時の対応を取るよう重ねて要請する。
この間、国際機関であるILOが、ビルマ国内における軍事政権の強制労働(29号条約違反)について繰り返し事実を認定し、ダイレクト・コンタクト・ミッションを含め直接的な働きかけを行ってきた。労働組合活動家の弾圧が繰り返されているという情報もあり、軍事政権化にあるビルマでは、日常的に人権が抑圧され続けている恐れがある。
そのような状況が指摘されているもとで、日本政府はビルマに対するODAを「必要不可欠なものに限っている」として、現在まで継続実施している。
89年の軍事政権誕生後、もっとも早く外交関係を樹立した国のひとつである日本政府によるODAの供与は、国際社会からも批判の対象にされ続けている。今回の事態も契機に、日本政府はその路線を再検討するとともに、市民との必要な対話を行うよう軍事政権に働きかけるなど、民主化を促す直接的な行動を取るべき責任がある。
日本企業も58社が現在ビルマに進出しているとされる。
多国籍企業のビルマへの進出は、軍事政権を維持する基盤となり、援助を行っているに等しい。現地法人の従業員の安全確保は当然のこととしても、ビルマの軍事政権を事実上支えるような企業活動については再検討をおこない、市民弾圧の中止を求めるメッセージを軍事政権に送るなどの行動も取るべきである。
全労連は、アジアの一員であり、第二次世界大戦中日本が侵略したビルマにおいて民主化を求める労働者、国民のたたかいを全労連は支持する。今後も動向も注視するとともに、各国の労働組合組織とも連携しながら解決に向けた努力を続ける。
2007年9月28日
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