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【談話】新テロ対策特別措置法の国会提出にあたって

2007年10月18日
全労連事務局長 小田川義和

 政府は17日、「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法」を国会に提出した。海上自衛隊の活動を補給にしぼり、期間を1年としたこの新法は、国会の事後承認手続きを削除して文民統制をないがしろにし、アメリカの報復戦争への参加による集団的自衛権の行使を鮮明にしたものとなっている。全労連は、憲法に反する米軍の報復戦争を支援する戦争参加法であり、議会によるチェックという文民統制の原則さえふみにじる新法の廃案を強く主張する。インド洋からの撤退が確実な自衛艦の再派兵に反対し、イラクからの航空自衛隊の撤退を求め、さらに力をつくすものである。

 福田首相は所信表明で、「活動はテロリストの拡散を防ぐための国際社会の一致した行動」としている。しかし、アメリカがアフガニスタンへの武力攻撃を始めてからの6年間に、テロは世界60カ国に拡散した。このことは、アメリカのブッシュ大統領自身が認めている。
 報復戦争の継続が、テロに正当化の口実を与え続けている。アフガニスタンでは、2000年に年14件であった自爆テロが、2007年には9月半ばまでに450件と30倍以上に増えている。戦争でテロをなくすことができないことは明白である。それにもかかわらず、政府は「国際社会の一致した活動」と言い張って、報復戦争に加担する給油活動を何がなんでも継続しようとしており、事実を直視していない。

 自衛隊による米軍の報復戦争・武力行使への支援は日本国憲法を真っ向から踏みにじるものである。戦闘行為を行なっている部隊への給油活動は重要な軍事活動であり、集団的自衛権の行使そのものであるといわざるを得ない。日本が無償で提供した石油が米軍のアフガニスタン空爆を支え、大勢の子ども、女性、お年寄り、市民の命を奪っている。加えて、インド洋での給油が、イラクでの戦争遂行に「流用」された疑惑さえ浮上しているのである。
 憲法ですべての戦争と武力の行使、武力による威嚇を放棄した日本は、非軍事的手段による紛争の解決のために、国際世論に訴え、共同行動を発展させ、テロ勢力が活動する余地のない世界を実現する先頭に立つことこそ求められている。貧困と飢餓をなくし、教育の改善をはかるなど、テロを生む土壌を改善するための援助を強めることこそが憲法に沿った日本の国際貢献の道である。

 全労連は、参議院選挙で示された国民の審判が、自衛隊の海外派兵を拒否するものであることに確信を持ち、新法廃案のために広範な国民、諸団体との共同を発展させるために全力をあげる決意である。

以上

 
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