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【声明】全動労 判決に対する声明

  1.  東京地方裁判所民事第11部(佐村浩之裁判長)は、本日、全動労組合員のJR不採用事件に関し、被告独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道運輸機構)に対し、原告一人当たり550万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。
     本件は、1987年(昭和62年)の国鉄の分割民営化に際して、組合所属を理由として国鉄が作成した採用候補者名簿に登載されず、JRに採用されなかった全動労(現全日本建設交運一般労働組合全国鉄道本部)組合員ら58名(うち遺族3名)が、国鉄を承継した鉄道運輸機構に対して、原告一人当たり5500万円の損害賠償を求めて起こした訴訟である。


  2.  判決は、国鉄が国鉄の分割民営化に反対していた全動労を敵視し、採用候補者名簿の作成において、組合所属を理由として全動労組合員を不利益に取り扱ったという不当労働行為の事実を認定した。その上で、国鉄が、併存する労働組合に対する中立保持義務に違反し、原告の組合員らのJRへの職員採用にあたって公平な取り扱いを受けるべき法的利益を違法に侵害し、多大な精神的損害を与えたとして、慰謝料の支払いを命じたものである。
     判決が、運輸機構の主張を斥け、国鉄が労働組合に対する中立保持義務に違反する違法な行為を行った事実を認め、賠償責任を明確にしたことは、きわめて重要であり、評価できる。また、判決は、原告らに対する早期の救済を図るべきことを示したものといえる。


  3.  採用差別事件からすでに20年以上が経過しており、不採用となった組合員らに対して適切な救済を図ることは、人道上も一刻の猶予もならない課題となっている。ILOも、この間一貫して、日本政府に早期解決を促す勧告を出している。
     採用差別事件については、不採用となった国労組合員ら約300名が鉄建公団(その後独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)に対して提起した訴訟において、東京地方裁判所民事第36部が、2005年(平成17年)9月15日、本件と同様に国鉄の不当労働行為の事実を認め、慰謝料の支払を命じる判決を言い渡している。本日の判決によって、採用候補者名簿作成の過程で国鉄が不当労働行為を行った事実とその法的責任は争う余地のないものになった。このことは、20年にわたるわれわれのたたかいの正しさを証明するものである。
     われわれは、鉄道運輸機構及び日本政府が、本日の判決で示された不当労働行為の事実と損害賠償責任を踏まえ、採用差別事件の全面解決のための交渉のテーブルに着くことを強く求めるものである。


  4.  われわれは、本日の判決を機に、一刻も早くJR採用差別事件の全面解決を実現するために全力で奮闘する決意である。この間、長期間にわたって支援をしていただいた多くの方々に心から感謝の意を表するとともに、引き続きご支援ご協力をお願いするものである。

2008年1月23日

全動労争議団・原告団
全動労弁護団
全日本建設交運一般労働組合全国鉄道本部
全日本建設交運一般労働組合
全国労働組合総連合(全労連)国鉄闘争本部

 
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