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【談話】社会保障国民会議の発足にあたって

 1月29日、福田首相が目玉の会議の一つと位置づける「社会保障国民会議」の第1回会議が開催された。
 同会議の開催趣旨では、「社会保障のあるべき姿」と「(社会保障における)政府の役割」、「(社会保障)負担の分かち合い」の議論をおこなうためとしている。

 全労連は、社会保障制度の基本を「自助」におき自己責任を強調した上で、公的社会保険制度による「共助」や生活保護を「公助」という「補完制度」と位置づけた論議や、社会保障財源を口実にした消費税率引き上げの「合意」づくりの論議には賛成できない。
 結論ありきの会議運営ではなく、開催趣旨にのっとり、広く国民の意見を反映するため、ヒアリングや討論会、意見募集などを頻繁におこない、議論の経過と内容をオープンにし、期限を切った結論付けをおこなわず国民合意の形成に努力することなどを要求する。

 2000年代に入り、所得格差が拡大し、社会保障による「富の再配分機能」の低下が指摘されている。非正規労働者が労働者の3分の1を占めるという企業の雇用動向やそれを後押しする労働者派遣法の改悪などの厚生労働行政が、年金をはじめとする社会保障制度を空洞化と持続可能性の低下を招き、国民の将来不安を高めている。
 餓死者を生み出す生活保護行政、介護、医療難民の発生、そしてネットカフェ難民にも象徴される労働者の貧困化などは、この間の社会保障の連続改悪の結果だと考える。企業の国際競争力強化に偏る余り、税制も含めた国内での「富の再配分」が軽視されてきたことが、労働者・国民の深刻な生活実態を生み出している。
 社会保障国民会議での議論では、これら、労働者・国民の生活、労働実態をつぶさに検証し、政府による最低生活保障の確立の観点で進められることを強く求める。

 全労連は、以上のような立場から、会議の監視を強めるとともに、必要に応じて労働者の立場から意見を述べ、その反映を求めるとり組みを進める。

 2008年1月30日

全国労働組合総連合(全労連)
事務局長  小 田 川 義 和

 
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