【談話】「道路特例法」の再議決に強く抗議する
本日13日午後の衆議院本会議で、道路特定財源を10年間維持する道路整備財源特例改正法(「道路特定法」)が再議決され、成立した。
この議決に先立ち政府は、(1)道路特定財源制度を今年の税制抜本改革時に廃止し、09年度から一般財源化、(2)必要な道路は着実に整備、(3)「道路特定法」にある特定財源制度の規定は09年度から適用せず、(4)暫定税率分を含めた税率は今年の税制抜本改革時に検討、(5)道路の中期計画は5年、などを内容とする閣議決定をおこなっている。
政府・与党は、この閣議決定によって道路特定財源の一般財源化は担保されたとしているが、それはまやかしにすぎない。(1)10年間で59兆円を道路建設に使うとする「道路整備の中期計画」の枠組みには一切手をつけていないこと、(2)福田首相は国会答弁で、「必要な道路」とはその中期計画の内容であると述べていること、(3)したがって、道路特定財源を一般財源化しても、本日強行された「道路特定法」によって、総額ありきで一般財源から道路建設費用を捻出する仕組みが残る危険性があること、が明らかだからである。
このようなまやかしの閣議決定をしてまで、「数の力」に頼った再議決という暴挙をおこなったのは、財源を聖域化して道路を作り続けることが、与党の利権にかかわっているからにほかならないからと考える。
道路建設にかかわる談合問題や不透明な入札制度、「道路族」といわれる政治家への関係業界からの多額の政治献金、そして官僚の天下りなどは、道路建設に多額の税金を投入し続けることによって維持できる利権構造にほかならないからである。
4月30日のガソリン税の暫定税率での再議決と一体である本日の再議決は、民主主義を蹂躙し、主権者国民の世論に背を向けるという手続き面と同時に、利権にしがみつく自公政治の本質を明らかにした暴挙として歴史にとどめることになる。
全労連は、二重の意味で本日の再議決を厳しく糾弾し、自公政治からの転換を求める運動を再強化する決意である。
2008年5月13日
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