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【談話】変えるべきは政治の中身
――第2次福田内閣発足にあたっての談話――

 8月1日、福田首相は、内閣改造をおこなった。改造にあたって首相は、「(国民の)不安をできるだけ小さくする安心実現内閣」だと位置づけ、消費税率の引き上げや「新テロ特措法」延長に強い意欲を示し、早期の解散総選挙を否定したと報じられている。


 公表された閣僚名簿でも、経済財政担当大臣や財務大臣に消費税率引き上げを主張する庶民増税論者を置き、同様に消費税率引き上げを主張してはばからない自民党幹事長を配置した。また、後期高齢者医療制度の廃止要求に背を向ける厚生労働担当の閣僚や内閣の要である官房長官を留任させ、緊急の課題が山積している農林水産、経済産業、国土交通などの担当閣僚に派閥の領袖を起用するなど、利権温存、大企業奉仕の自民党政治延命を図る布陣ともなっている。
 後期高齢者医療制度の廃止や労働者派遣法の抜本改正などを求める世論と運動の高まりは、「構造改革」や庶民増税を強制して国民生活を貧困の淵に追いやる政治からの転換要求がその根底にある。第2次福田内閣の布陣は、そのような国民世論との矛盾を激化させる可能性を明らかにしている。


 内閣改造の直前、7月29日に、政府は「社会保障の機能強化のための緊急対策(5つの安心プラン)」を公表しており、福田首相が述べた「安心実現」とは、その「5つの安心プラン」の具体化にあるものと考えられる。
 しかし、「5つの安心プラン」には、財源の裏付けがなく実効性への疑問が強く、加えて、同じ日に決定された「09年度予算の概算要求基準」で、社会保障費2200億円削減を決定しているように、「構造改革」を継続する財政方針との政策矛盾が既に露呈している。この点からも明らかなように、第2次福田内閣のもとでの政治的矛盾の激化は避けられない。


 今、労働者・国民の生活は、「構造改革」の痛みに加えた物価の急騰によって、生活危機の崖っぷちに立たされている。後期高齢者医療制度廃止法案の早期成立や、常用雇用を原則として日雇い派遣を禁止する労働者派遣法抜本改正、原油・原料、食糧高騰への緊急対策などは切実、緊急の要求である。そのような労働者・国民の要求と、第2次福田内閣が進めようとする政治との矛盾が深まることも必至である。
 全労連は、労働者・国民の切実かつ緊急な要求に基づく運動を強め、福田内閣の政策矛盾や行き詰まりを明らかにし、政治の転換を求める国民世論と運動を高めるため、引き続き奮闘する。

2008年8月1日

全国労働組合総連合
事務局長  小田川 義和

 
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