【談話】国会を解散し、総選挙で国民の信を問え
- 福田首相の辞任表明にあたって -
9月1日夜、福田首相は、突然の辞任記者会見を行い、政権を放棄した。1年前の安倍前首相と同様、国会運営がいき詰まったための政権投げ出しであり、議会制民主主義の原理にもとる異常で無責任極まりない事態である。
このような無責任な事態が二度も続くのは、大企業本位、アメリカ追従の自公政治そのものの末期症状であり、国民に信を問わないまま自民党内の「たらい回し」で発足した民主的正当性を持たない政権だからにほかならない。福田首相の辞任を受けて、次の内閣も自民党内での「たらい回し」で発足させようとする動きにあるが、国民に信を問うこともなく自公政治を継続することは許されない。早期に国会を解散して総選挙を実施し、国民の信を問うよう強く求める。
今、国民生活は、所得低下、雇用の不安定化、税・社会保障負担増に加えた物価高騰で、危機的な状態に追い込まれている。その原因は、大企業の収益が上がれば、国民にもいずれはその効果が波及するとして進められた成長経済と、それを進めるための社会構造づくりを進めた「構造改革」にあることは明らかである。
その際たるものは、労働者派遣法の相次ぐ改悪に象徴される労働者保護法制の改悪のもとで深刻化した労働者の貧困化であり、後期高齢者医療制度に代表される高齢者いじめの社会保障制度改悪であり、税制改悪で進められた庶民増税、大企業・大金持ち優遇税制による「富の再配分機能」の著しい低下である。
福田内閣は、そのような現状に目を向けることなく、8月29日に決定した「緊急総合対策」などにも明らかなように「構造改革」継続を宣言し、加えて低所得、高負担、高物価への適応を国民に迫るという冷酷な姿勢を示した。また、社会保障の引き続く改悪や、消費税導入をはじめとする庶民増税への道筋をつけることに汲々とする姿勢すら示した。さらに、アメリカの求めに応じたインド洋での無償の給油活動継続や、在日アメリカ軍のグアム移転などのための費用(軍事費)には大盤振る舞いしようとしている。
このような、国民生活より大企業のもうけ、国民生活より日米軍事同盟を重視する逆立ちの自公政治を継続するのか、危機的状態にある国民生活を重視する政治に転換するのか、そのことを最大の争点に、早急に総選挙を実施することが、今、政治がなすべき最優先の課題である。
民主的正当性を持たない政権のタライ回しはやめ、国会解散・総選挙の実施を重ねて求めるものである。
2008年9月2日
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