【声明】第30期中労委労働者委員の任命にたいする声明
淀房子さん（民主化対策会議推薦）、任命される

　１．政府は11月16日、第30期中央労働委員会の労働者委員に、労働委員会民主化対策会議が推薦する淀房子（国公労連、日本医労連）さんを任命しました。非連合の労働団体から中労委委員が任命されるのは1989年の労働戦線再編後初めてのことであり、歴史的・画期的な出来事となりました。民主化対策会議は、この間の運動にご協力頂いたすべての労働組合及び組合員のみなさん、弁護団・学者のみなさんに心よりお礼を申し上げます。

　２．民主化対策会議は、民間企業担当の水久保文明（新聞労連）さんと特定独立法人担当の淀房子さんの両候補を推薦し、第30期中労委労働者委員の公正任命を求めて運動を展開してきました。水久保さんが任命されなかったことは非常に残念ですが、15名全員が連合推薦者で占められるという中労委労働者委員の偏向した構成をただす今回の任命は、労働委員会の民主化、行政の民主化のたたかいの歴史的な一歩を記すものとなりました。

　３．政府は、全労連と連合というナショナルセンターが結成されて以降、連続9期18年にわたって連合委員のみ任命という不公正・偏向任命を行い、一貫して民主化対策会議の推薦候補を排除し続けてきました。民主化対策会議は、1989年の結成以来、このような政府の不公正任命をただし、大衆運動と裁判闘争、ILOへの提訴など、労働委員会民主化を求めるたたかいを積み重ねてきました。その前史である1980年からの純中立労組懇がすすめてきた歴史を重ねれば、約30年にわたるたたかいの継続が、今回の任命に結実しています。

　４．中労委の任命とあわせて、10月10日には、京都総評推薦者が京都府労委の労働者委員として任命されました。これにより、宮城、埼玉、千葉、東京、大阪、和歌山、京都、長野、高知の9都府県で非連合からの労働者委員が任命されるという到達点を作り上げる事となりました。私たちのたたかいは、政府の非連合排除の姿勢を抜本的・民主的に転換させる運動への新たな局面を切り開きつつあります。同時に、今回の任命は、民間企業担当の水久保氏が排除されたように、政府の非連合排除の姿勢を根本的に転換させたものとは評価出来ません。民主化対策会議は、第31期労働者委員の民間企業担当と特定独立法人担当の獲得、都道府県での労働者委員の獲得に向けてさらに運動を強化します。今回の歴史的・画期的な任命を土台として、多くの労働組合と力をあわせ労働委員会の民主化、労働行政の民主化に向けたたたかいの前進をはかる決意を表明するものです。