【談話】08年厚生労働省「労働組合基礎調査」について
2008年12月17日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和
1.厚生労働省は16日、2008年労働組合基礎調査結果の概況(6月30日現在)を発表した。それによると、全雇用労働者5,565万人に対する労働組合員数は1,006万5千人で、推定組織率は18.1%となっている。労働組合員数は前年より1万5千人減少し、前年比0.1%の減となった。
一方、パートタイマーなど短時間雇用労働者は1,232万人、組合員数は61万6千人で前年より2万8千人増え(対前年比4.7%増)、全組合員数に占める比率は6.2%で推定組織率は5.0%(対前年比0.2%増)となった。
主要団体別の組合員数は、産業別労働組合員数に都道府県単位の地方組織に直加盟している組合員を合わせると、連合671万6千人(前年比1.2万人増)、全労連89万4千人(同1.8万人減)、全労協14万4千人(同6千人減)であり、主要団体別の労働組合員数に占める比率は連合67.2%、全労連8.9%、全労協1.4%である。
2.全労連の調査(2008年6月末時点)によると、全労連構成組合員数は、産別組合員86万3千人、地方組織直加盟26万2千人、地域組織直加盟8万2千人、合計120万8千人である。厚生労働省調査と全労連調査との乖離は産別組合員20万人、地方直加盟10万4千人、合計31万4千人である。
これは、厚労省が全労連加盟の年金者組合(8万7千人)、オブ加盟組合(9千人)、ローカルユニオンなど地域組織直加盟組合員(8万2千人)を調査集計対象にしていないことが主な原因である。
厚労省調査は、労働審判制度の労働側委員や中労委労働者委員の任命などの組織上の基準になっておりその影響は甚大である。全労連は産別組織と地方組織で構成されており、厚労省は基礎調査の対象や方法を抜本的に改善し、少なくとも全労連規約に基づく加盟組合員の実態を正確に把握できるようにすべきである。
3.推定組織率は、2002年までは20%台、2003年に19%台、2005年以降18%台となり、2008年は辛うじて昨年と同じ18.1%を維持した。正規の非正規雇用への大幅な置き換えがすすみ、団塊世代の大量退職が始まっているもとで、全労連、連合、全労協ともに非正規の組織化に本格的に歩み出しつつあるなかでの組織率の現状維持を今後の増勢への転機にしなければならない。
4.全労連加盟組織組合員数の減員は1万8千人である。減員の内訳は自治労連1万人、建交労4千人、全教3千人、国公労連3千人、日本医労連1千などである。一方、増加したのは生協労連3千人、年金者組合6.5千人である。全労連の組織減の背景には公務関係の定員削減やリストラがあり、これを上回る組織化に成功していないことにある。しかして、生協労連の組織拡大が進み純増を実現していることは、パートをはじめとする非正規労働者への本格的で意識的な取り組みを強めるなら組織拡大が可能であることを示唆しており、これを教訓化していく必要がある。
5.全労連の産別・地方・地域組織が一体となり、職場と地域からすべての未組織労働者へ全労連と労働組合の存在と役割を大きく宣伝・組織する活動に全力をあげる。
全労連は、来年11月に結成20周年を迎える。20周年を最高時現勢の140万人突破をめざす組織拡大のうねりのなかで迎えるよう、ただちに組織の総力を結集した取り組みを開始する。
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