【談話】米海兵隊グアム基地建設に関する協定を糾弾する
2009年2月18日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和
政府は、2月17日、アメリカとの間に「在沖縄米海兵隊のグアム『移転』に関する協定」を締結した。協定では、沖縄米海兵隊のグアム「移転」経費の約6割にあたる61億ドルを拠出すること、うち直接の資金提供となる28億ドルの使用手続きを取り決めている。
今回の協定は、沖縄の米軍基地負担の軽減を口実にしているが、アメリカの世界戦略にもとづく海兵隊等の集中と即応戦力の強化がグアムにおける米軍基地建設強化のねらいであり、その戦略に日本が深く組み込まれている。
アメリカの先制攻撃戦略にもとづく基地建設に、日本国民の税金を投入することは、国民の意思と日本国憲法を踏みにじる許し難い暴挙である。他国内の軍事基地建設に資金を提供するなど、世界に例を見ない屈辱的対応である。
そして、グアムへの沖縄駐留米海兵隊の移転は、普天間代替基地建設の具体的進展にかかるとして、辺野古への基地建設と日本側の資金の提供を条件にするという、二重に不当な内容となっている。
今回の協定は、米軍再編に係わる日米の合意を条約の扱いにして、日本の協力と費用負担を義務づけるものとなっている。
このままでは、米軍基地再編に3兆円ともいわれる費用が投入されることになる。戦争のために税金を使うな、内需拡大・雇用や社会保障のためにこそ税金を使えの世論を大きくすることが求められる。
協定発効には国会における議決が必要となるが、全労連は、不当な内容を徹底して明らかにし、成立の阻止をめざし奮闘するものである。
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