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【談話】雇用拡大と賃上げによる内需拡大で経済構造のゆがみ是正を
-景気動向の激変に対応した09年度予算案の修正を求める談話-

 政府が2月16日に発表した08年10〜12月期の国内総生産(GDP)は、前期比年率で12.7%減と、第1次石油危機の際の74年1〜3月期の13.1%に匹敵するマイナスとなった。「戦後最悪の経済危機」(与謝野経済財政担当大臣)及び「100年に一度の危機」と言うほどの急激な経済状況の悪化は、自動車、電子、通信機器などの輸出が前期比13.9%減となったこと、これと連動して設備投資が5.3%減少したこと、そして雇用状況の悪化、年末一時金や残業の削減も影響して個人消費が0.4%減少したためである。外需も内需も総崩れの状況であり、「マイナスの連鎖」さえ懸念される事態である。

 明らかなことは、輸出(外需)依存のゆがんだ経済構造が「危機」を深刻にしていることであり、内需拡大が緊急に必要なことである。内需拡大には、その要である個人消費を喚起する施策が不可欠であり、雇用の安定と拡大、賃金の底上げによるワーキング・プアの解消、社会保障の充実、格差の是正などに早急に取り組む必要がある。
 外国メディアに「トヨタや日産が解雇しているときには、それだけでの目覚めてしかるべきだ」と揶揄されて辞任した財務大臣のもとで編成された09年度予算案を、急変した経済状況に機敏に対応し、国民生活最優先、内需拡大に大幅に組み換えるよう強く求める。

 金融危機、経済危機の震源地とされるアメリカのGDPは、同じ期間に3.8%減にとどまっている。それだけ、外需依存の日本経済のゆがみは著しく、そのことを直視した政策転換に直結する予算組み換えが必要である。
 そのため、雇用の安定を図るための規制再強化などとあわせて、助成金等を最大限活用した雇用の安定策、公的分野での雇用の場の拡大、失業者の生活支援と職業訓練、雇用保険の給付改善、再就職支援に大胆に予算措置を講ずるべきである。最低賃金時給1000円以上への引き上げを目的に、中小零細企業への補助金等を措置すべきである。

 また、税、社会保障による「富の再配分」機能の再強化を図るため、社会保障予算の充実を図り、社会保険料の事業主負担引き上げや大企業優遇税制の是正を行うべきである。年金給付額の引き上げ、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法の廃止、医療、介護報酬の引き上げなども緊急に実施すべき課題である。なお、投資家対策としての減税は即時に中止し、消費税については食料品非課税措置を直ちに講ずるよう求める。
 さらに、中小零細企業の経営を安定させるため官公需の優先発注や、適正単価の確保を図り、農林漁業の活性化などの地域経済の振興策を重点課題とすることも求められる。
 加えて、温暖化ガス排出規制強化と環境対策を抜本的に強化し、新たな雇用拡大の場として育成する必要がある。
 予算組み換えともかかわって、米軍再編・基地強化や自衛隊の海外派兵にかかわる予算は撤廃するなど軍事費の大幅な削減をおこなうことも求める。
 以上の要求が実現するよう、現実を直視した国会の論戦を強く求め、取り組みを強める。

   2009年2月18日
全国労働組合総連合       
事務局長 小 田 川 義 和

 
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