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鉄建公団訴訟控訴審判決に対する声明

声 明

  1. 東京高等裁判所第17民事部(南敏文裁判長)は、本日、国労組合員のJR不採用問題に関し、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)に対し、一審判決を基本的に維持し、一部を除き組合員一人当たり550万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。
     本件は、1987年(昭和62年)の国鉄の分割民営化に際して、組合所属を理由として国鉄が作成した採用候補者名簿に登載されず、JRに採用されなかった国労組合員らが、国鉄を承継した鉄道・運輸機構に対して、地位確認とJR不採用による損害賠償を求めて起こした訴訟である。


  2. 判決は、国鉄が分割民営化に反対していた国労を敵視し、採用候補者名簿の作成において、組合所属を理由として国労組合員を不利益に取り扱ったという不当労働行為の事実を認定し、国鉄が国労組合員らを不公正に取り扱ったことによって精神的損害を与えたとした。そのうえで、鉄道・運輸機構の消滅時効の主張を斥けて、損害賠償責任を認めた。
     判決は、一審判決と同様に地位確認の請求等を否定した。また、判決が認めた賠償額は、不採用によって当事者が現実に被った損害を補うには極めて不十分なものと言わざるを得ない。しかし、昨年1月23日の全動労事件東京地裁民事第11部判決に続く、本日の高裁判決によって、採用候補者名簿作成の過程で国鉄が不当労働行為を行った事実とその法的責任は争う余地のないものになった。このことは、20年余にわたるわれわれのたたかいの正しさを証明するものである。


  3. 採用差別事件からすでに22年以上が経過しており、不採用となった組合員らに対して適切な救済を図ることは、人道上も一刻の猶予もならない課題となっている。
     判決言い渡しの後、南裁判長は、JR不採用問題が「早期に解決されることを望みます」との所見を述べた。また、金子国交大臣は、昨年12月、「判決を真摯に受け止めて、誠心誠意事に当たられることを心から期待します」と発言している。われわれは、鉄道・運輸機構及び政府が、本日の判決で示された不当労働行為の事実と損害賠償責任を踏まえ、採用差別事件の早期解決のための交渉テーブルに着くことを強く求めるとともに、全面解決を実現するために全力で奮闘する決意である。

2009年3月25日

全動労争議団・原告団
全動労弁護団
全日本建設交運一般労働組合全国鉄道本部
全日本建設交運一般労働組合
全国労働組合総連合(全労連)国鉄闘争本部

 
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