TOP 全労連紹介 ニュース オピニオン 労働法制 賃金闘争 憲法・平和 くらし・社会保障 非正規全国センター 全労連共済 青年 女性 English
 
BACK
TOP
オピニオン
 

2009年4月24日

【談話】「海賊対処」法案の衆議院採決強行を糾弾する

全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和

 政府与党は、衆議院海賊・テロ特別委員会において「海賊対処」法案をわずか4日の審議で採決を強行し、4月23日午後に衆議院本会議で可決した。
 「海賊対処」法案は、PKOによる派遣、インド洋、イラクへと自衛隊の海外派兵を拡大してきた上に、“自衛隊派兵ありき”でさらに派兵の道を広げるものである。派遣の地域と期間の限定をはずし、国会の承認すら不要とし、首相の承認、緊急時には報告でよいとする驚くべき内容が盛込まれている。武器使用も、これまで正当防衛と緊急避難に限定していたものを、任務遂行まで拡大するものとなっており、自衛隊派兵の枠組みと武力行使を一段と広げるものとなっている。
 そして、この間 自民党の「国際平和協力法案」や海外派兵恒久法検討与党プロジェクトチーム中間報告などがだされているが、政府与党は、この先に海外派兵恒久法をねらっている。
 衆議院議院運営委員会での憲法審査会規定の趣旨説明の強行と合わせ、改憲派の巻き返しとして厳しく受けとめなければならない。 

 また、衆議院における短期日の採決は、民主党の自衛隊派兵を認める修正案と早期成立容認のスタンスがあってのことであり、民主党は実質的に採決に手を貸したものとして厳しく批判されなければならない。

 この間、各国がソマリア沖に軍隊を派遣しているが、逆に海賊事件が急増し、すでに昨年の事件数の7割に達し、発生海域がインド洋に広がっていることは、軍事力による対応では解決の力を持っていないことを如実に示している。

 政府は、憲法9条をもつ国として、マラッカ海峡の日本の実績・貢献を踏まえ、周辺諸国の共同による沿岸警備力の緊急な拡充のために国際的なリーダーシップを発揮すること、ソマリアの再建に関する民政支援などを強めるべきである。
 全労連は、「海賊対処」法案の危険性を警鐘乱打するとともに、国民への訴えを強め、参議院での阻止に向けて奮闘するものである。

 以上

 
〒113-8462 東京都文京区湯島2−4−4全労連会館4F TEL(03)5842-5611 FAX(03)5842-5620 Email:webmaster@zenroren.gr.jp

Copyright(c)2006 zenroren. All rights reserved.