本日午前、北朝鮮は、2006年10月に続き2回目となる地下核実験を実施した。北朝鮮の朝鮮中央通信が実施の事実を報道し、日本、韓国でも確認された。
核兵器廃絶を強く求めて国内外の取り組みを続けてきた全労連として、この核実験実施に強く抗議する。同時に、日本政府に対し、いたずらに過剰な反応をせず、話し合いにもとづく核兵器廃絶の努力を強めるよう求める。
北朝鮮は、今年4月5日に人工衛星を打ち上げるとの名目で長距離ロケットを発射し、これを非難する国連安全保障理事会・議長声明などに反発していた。また、6カ国協議も事実上ボイコットしてきた。強硬姿勢をエスカレートさせることで交渉を有利に運ぼうとする北朝鮮の姿勢は許されず、今回の核実験も何を持っても正当化することができない。
同時に、そのような挑発的行動を利用して軍事対応を強め、制裁強化を主張することは、外交・話し合いによる解決の障害物にしかならない。そのことは、先の長距離ロケット発射時のMD(ミサイル防衛)システム発動に対する北朝鮮の反発からも言える。重ねて日本政府の冷静な対応を求める。
本年4月にオバマ米国大統領が、チェコ・プラハで「米国は核兵器のない、平和で安全な世界を追求していくことを明確に宣言する」と述べた。このことを契機に、核兵器廃絶の方向に世界が大きく動き、2010年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議への期待が世界的に高まっている。
北朝鮮は直ちに核兵器の開発・実験計画を中止し、NPT条約と6カ国協議に完全復帰することを強く要求する。日本政府は、憲法9条をもつ国として、あくまでも話し合いによる平和的解決のために全力を尽くすべきである。
全労連は、21世紀を戦争のない時代にするために、憲法9条を世界に輝かせ、核兵器も軍事同盟もない流れを大きくするために奮闘する。
2009年5月25日