【談話】鳩山内閣の発足にあたって
本日ひらかれた特別国会で、民主党の鳩山代表が首相に選出され、政権が発足した。政権は、社民党、国民新党も参加する連立となった。この政権の発足は、先の総選挙で、労働者のくらしと雇用を壊し、貧困と格差を拡大し続けた自公政権への明確な審判が下ったことによる。
新政権には、この原点にたち、労働者の雇用や国民生活を重視した政策の具体化や内需拡大をめざす経済政策など、「構造改革」と明確に決別した政治を行うよう求める。
政権発足に先立つ9月9日に民主党など3党の連立政権合意では、「政権交代という民意に従い、国民の負託に応えること」などが確認され、「小泉内閣が主導した競争至上主義の経済政策」などを自公政権の失政として、「家計に対する支援を最重点」の政策に位置づけるとしている。その上で、「すみやかなインフルエンザ対策、災害対策、緊急雇用対策」をはじめ、10項目について政策合意している。
政策合意に盛り込まれた項目のうち、「子ども手当(仮称)」や労働者派遣法改正の具体的な内容、あるいは地球温暖化対策とかかわる温暖化ガス抑制目標の数値や主体的な国際貢献策の具体的内容の不明さなどには問題があり、にわかに全面的に賛同できないものもある。しかし、多くの項目は、労働者の労働と生活が悪化し続けているもとで、一日も早い具体化が望まれる内容だと考える。
政権合意の内容などについては、既に、日本経団連などから反対表明や実現性への疑問が呈され、その具体化に抵抗する動きも出ている。
全労連は、そのような財界等の動向もふまえ、政権合意に盛り込まれた項目のうち、全労連が掲げる要求と一致するものについては、一日も早い実現をもとめて運動と行動を強める。合意項目の内、問題解明が必要なものについては、具体的な問題提起も含め修正を求めて運動を進める。
民主党が総選挙で示したマニフェストの中には、日米自由貿易協定締結や、衆議院比例代表定数削減など、国民のいのちと健康や民主主義の根幹にかかわる事項も含まれている。仮に、そのような政策具体化を民主党が急ぐようなことがあれば、国民的な共同を広げ、その阻止のためたたかう決意であることも明らかにしておく。
1955年以来はじめて、国民が政権交代を選択した結果誕生した鳩山内閣が、労働者・国民の信頼を損ねることのないよう重ねて求める。
2009年9月16日
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