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【談話】労使関係制度検討委員会の最終報告取りまとめにあたって

 国家公務員制度改革推進本部に設置された労使関係制度検討委員会は15日、「自律的労使関係制度の措置に向けて」とする最終報告(以下、報告)を取りまとめた。
 1948年に公務員の労働基本権が剥奪されて以降、権利のあり方に集中して意見が交わされたことは初めてであり、政府は、今回の報告を新たな労使関係構築にむけた議論の経過として受けとめ、基本的人権実現にむけた制度具体化を早期におこなうよう求めるものである。

 検討委員会では、昨年10月から1年以上にわたって、労使交渉制度をはじめとして多面的な議論がおこなわれ、報告書も膨大で多岐にわたるものとなった。
 しかし、提起された論点のすべてにわたって意見が一致したものではなく、報告では、なお数多くの選択肢を残し、示された3つの「モデルケース」を見ても、民間における労使関係に近い制度から、人事院勧告制度を「代償措置」とした現行制度にほぼとどめるものまで、幅広い内容となっている。
 さらに、使用者機関や第三者機関のあり方などは、「内閣人事局」の機能をはじめ公務員制度改革全体の方針ともかかわることから、政府に今後の検討がゆだねられた。

 その点で、新たな制度確立までには、政府として多くの具体的な検討作業が残されている。その際の視点は、憲法とILO勧告など国際基準にもとづくことはもとより、公務員労働者の諸権利や労働条件の改善に資する制度であること、国民にとって公務・公共サービス向上につながることが重視されるべきことは言うまでもない。
 また、「便益及び費用」にかかわって、制度設計が固まった後、報告も参考にして別途検討するとしているが、その際も、国民や公務員労働者にとっての「便益」という視点が求められているし、ましてや、基本的人権である労働基本権について、「コスト」の観点で制約すべきではないことをあらためて強く指摘するものである。

 全労連闘争本部は、検討委員会に全労連が排除されるなかにあっても、検討委員会のワーキンググループでの意見表明を認めさせ、十分とは言えないまでも、論点に則して闘争本部としての考え方を委員会の議論に反映させる努力を続けてきた。
 今後、政府での検討にあたっても、全労連との十分な交渉・協議にもとづいて作業をすすめるよう求めるものである。
 労働基本権をめぐっては、協約締結権にとどまらず、公務員の争議権や消防職員等の団結権の回復が重要課題となっている。全労連闘争本部は、憲法で保障された労働基本権のすみやかな回復を政府に求め、その実現にむけてたたかう決意を明らかにする。

2009年12月15日

全労連公務員制度改革闘争本部
本部長 小田川 義和

 
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