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【談話】第174回通常国会の召集にあたって

 本日、第174回通常国会が召集され、150日間に及ぶ論戦がスタートした。
 国会開会にあたり全労連は、深刻化し続ける雇用や中小零細企業の経営の状況、「構造改革」によって壊され続けた社会保障の現実を直視し、国民・労働者の生活改善を最優先の課題とする施策の具体化が進められることを強く期待する。
 政治不信の元凶となっている「政治とカネの問題」を重視し、企業団体献金禁止をはじめとする改善策の具体化に全ての政党が一致して取り組むこと、疑惑の焦点となっている小沢民主党幹事長と鳩山首相の説明責任が通常国会冒頭で発揮されることを強く求めたい。

 政府の取りまとめでは、09年度第2次補正予算と2010年度予算案が今通常国会に提出され、前国会からの継続法案とあわせ63本の法案提出が検討されている。
 現段階で政府が提出を予定している法案以外にも、与党3党で検討が進められている官僚の国会答弁禁止などの「国会法改正法案」や、外国人に参政権を認める選挙制度改正法案などの審議も想定される。

 これらの審議予定案件とかかわって、次の点を主張しておきたい。
 第1に、政府一般会計予算とかかわって、歳入確保のために扶養控除などの廃止など庶民増税が盛り込まれる一方で、証券税制の軽減税率維持をはじめとする大企業・大金持ち優遇税制への切込みがほとんど行なわれていないことは、大きな問題である。担税能力の高いものに負担を求めることなしには、深刻化し続ける貧困と格差の解消にふみだすことはできないことは明らかであり、大胆な修正を求める。
 第2に、沖縄・普天間基地の移設問題にも明らかなように、日米軍事同盟の継続・強化を前提とした施策や予算編成と、国民世論との間には大きな乖離がある。しかし、決定されている予算案では日米軍事同盟に固執した対米従属姿勢の従来姿勢や軍事大国化の施策を微塵も変えていない。政権交代に寄せられた国民の期待に応えて、軍事から社会保障など民生優先の施策への転換を求める。
 第3に、労働者の労働・生活実態を直視し、働くルール確立を強く求めたい。(1)政府が国会に提出を予定している労働者派遣法改正法案について、労政審議会答申の抜け穴をふさぎ、派遣労働を極めて例外的な働き方と位置づけた抜本改正を行なうこと、(2)失業期間の長期化に眼を向けた雇用保険法のさらなる改正を具体化すること、(3)多くの政党がマニフェストに掲げた最低賃金「時給1000円」の道筋を今国会でつけること、(4)前年通常国会までの経過をふまえた後期高齢者医療制度廃止法案を提出することを強く求める。
 第4に、議会制民主主義の後退を来しかねない「国会法改悪」には強く反対する。また、国民的論議が不十分で、反対意見も少なくない「高速道路無料化」の徹底審議を求める。

 全労連は、今国会に政府が提出する法案に是々非々の立場で対応する。労働者・国民の生活改善要求に根ざし、格差と貧困の解消につながる施策と内需拡大のための大企業の社会的責任発揮をせまる施策の実現をもとめ、国会に向けた取り組みを強める。

 2010年1月18日

全国労働組合総連合       
事務局長  小 田 川 義 和

 
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