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【談話】地球温暖化対策基本法案の閣議決定にあたって
――CO2大口削減義務化と実効性ある制度を求める――

一、鳩山連立政権は、本日「地球温暖化対策基本法案」を閣議決定しました。前自公政権が示したCO2削減の中期目標に比べ新政権が25%削減目標を明らかにしたことは評価するものです。しかし、新政権は、他国の行動を前提とする条件を付けていますが、これはただちに撤回すべきです。この削減目標を着実に実行するうえで、「地球温暖化対策基本法」は、これからの日本の温暖化対策に取り組む基盤として実効性をもつものにすることが重要です。この間前政権は、削減目標を財界・大企業に丸投げしたことによって、削減どころか排出量は増加させました。このような失敗から学び、先進国の責任として大企業等の圧力に屈することなく人類と地球上のすべての動植物の保全に努めることを強く求めるものです。

一、鳩山首相が国連で公約した2020年までに90年比25%削減することは、重要です。この削減目標を法的拘束力あるものとし、すべて国内削減で行うことを明記すべきです。また、排出量は直接排出、つまり発電の時の排出は発電所の排出とし、総量削減義務も発電所に課すべきです。とりわけ大口排出源削減の義務化(総量・キャップ&トレード型排出量取引制度)を明記し、直接排出で大口排出源の25%以上削減を明記するべきです。

一、「法案」では、再生可能エネルギー比率の中期目標は2020年までに、10%としています。私たちは、一次エネルギー比20%とすることを求めます。ヒートポンプや燃料電池、排熱などの一次エネルギーでないものを組み込み、数字の水増しをせず、電力についても国際エネルギー機関など国際ルールでの計算方法を採用し、真に自然エネルギーに依拠した目標とすべきです。とりわけ大切なことは、原発に依拠せず、自然エネルギー重視の基本方向にすることです。

一、「法案」に盛られている「基本原則」では不十分です。「法案」の目的にあるように、「国民の健康で文化的な生活の確保に寄与」するためには、地球温暖化対策を通じた「働くルール確立」と新たな産業システムの確立が不可欠です。大量生産・消費社会ではなく、循環型の持続可能な低炭素社会への転換を図るべきです。脱大量生産・脱輸出依存、産業構造転換、脱24時間社会、地場産業や農林水産業重視の構造改革の実現を目指すものにすべきです。働く者のサービス残業の根絶、有給休暇の完全取得、週休2日制の完全実施などによって正常な新規雇用を図る等の「働くルール」を明記し、必要な施策を求めます。

2010年3月12日

全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和

 
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