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【談話】第22回参議院選挙結果について

 昨11日に投開票された参議院選挙で、政権党の民主党が改選議席を大きく減らした。非改選議席を含めた与党の議席は109議席となり、過半数(121議席)を大きく割り込んだ。昨年8月の総選挙と大きく異なるこの結果は、衆議院と参議院で多数派が異なる「ねじれ」状態、政局が不安定になり易い政治状況を作り出すこととなった。
 このような選挙の結果は、切実な要求を掲げた運動の強化、国民いじめの悪政に反対する共同の取り組み前進が、全労連運動にとって、より重要になったことを示している。

 全労連は今回の参議院選挙を、昨年総選挙結果に示された国民の選択を前に進め、アメリカ言いなり、財界・大企業中心の政治から労働者・国民の命と暮らしを守る政治への転換をめざすものと位置付け、労働者・労働組合の奮闘を呼びかけた。
 また、菅首相が選挙直前に、消費税率10%への引き上げに言及したことを受け、「消費税率引き上げを許すか否かの選択選挙になった」と位置付け、緊急のアピールも発出して、消費税率引き上げ反対の運動強化を呼びかけた。このことが、消費税問題を参議院選挙の最大争点に押し上げる上で、一定の役割を果たしたと考える。
 しかし、消費税率引き上げ反対、大企業優遇税制是正などの税制改革を求める世論を結集した選挙結果を作り出すまでには至らず、引き続くたたかいの強化が求められている。

 参議院選挙の結果、改選議席だけをみれば自民党が比較第一党となった。しかし、もっとも民意が反映する比例区では得票率30%強の民主党が第一党であり、国民の意思、選択の多様さが、比例区の政党別の得票率に表れている。
 参議院選挙後の政治運営では、このような国民の意思の多様さをふまえ、開かれた論議と慎重な政策決定を強く求めたい。とりわけ、参議院選挙を通じて強まった衆議院定数削減や、民営化や公務リストラなどの「小さな政府」づくり、沖縄県名護市・辺野古沖での基地建設などが、国民不在で強引に進められることのないよう強く求めたい。
 その点で、全労連は、社会保障拡充と軍事費削減、大企業優遇税制是正を求め、憲法に依拠した政治の実現を迫る国民的な運動で、積極的な役割を発揮する。

 保守二大政党論が喧伝されるもとで、労働者派遣法改正などによる雇用の安定、最低賃金引き上げなどで雇用の質の向上、後期高齢者医療制度廃止などの社会保障拡充を公約に掲げた政党は、残念ながら、今回の参議院選挙でも議席を前進させることが出来なかった。
 労働者の貧困が深刻化し、労働条件が悪化し続けている。それらの改善のためには、労働者の要求を掲げる政治勢力が国政での比重を高める必要がある。その点で、労働組合としての選挙闘争のあり方についても、深めた論議が求められる参議院選挙結果となった。今月下旬に開催する第25回全労連大会などを通じ、全労連全体での総括論議を進める。
 厳しい職場実態や生活実態を乗り越えた全国の組合員の奮闘に、心から感謝したい。

   2010年7月12日

全国労働組合総連合
事務局長  小 田 川 義 和

 
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