【談話】沖縄県民を愚弄する暴言に強く抗議する
昨日8日、マスコミ各社は、アメリカ政府の国務省のケビン・メア日本部長が、沖縄県民は「ごまかし、ゆすりの名人」などの差別発言を行ったことを報道した。
報道以降、発言に対する抗議決議が、県議会をはじめ沖縄県内の市町村議会に広がっていることは、その事柄からして当然のことである。沖縄県民の怒りとかたく連帯し、アメリカ政府とメア日本部長に強く抗議し、謝罪と発言撤回を強く求める。
発言は、昨年12月3日に、メア日本部長がアメリカ国務省内で行った大学生への講演の際に行われたと報じられている。その講演を聴講した複数の学生が作成したメモによれば、「日本人が言う合意とは、ゆすりを意味する。沖縄の人々はごまかしとゆすりの名人だ」、「沖縄県民は怠惰であり、他県以上にはゴーヤを栽培できない」などと、沖縄県民を侮蔑する発言が行われている。
同時に、また、「(沖縄普天間基地は)特別に危険ではない」、「日本国憲法を変えられたら(米国のために)日本の土地を使えなくなる」、「思いやり予算は有益だ」など、在日米軍基地撤去を求める沖縄県民、国民世論への意図的な反論も行っている。
メア日本部長が沖縄総領事として、沖縄の現状に精通していることもあわせ考えれば、沖縄県民を侮蔑する発言は確信的に行われた「本音」であることは想像に難くない。
3月9日、沖縄県議会などの抗議を受けて緊急の記者会見を行ったグリーン駐沖縄アメリカ総領事は「アメリカ政府の見解ではない」と述べ、また、アメリカ国務省のキャンベル国務次官補は「個人として謝罪したい」と述べたとも報道されている。
しかし、事実の確認もせず、発言者本人の説明も伴わない釈明は、なんらの力も持たない。沖縄の多くの米軍基地が銃とブルドーザーで県民の土地を奪って建設された歴史や、撤去の日米合意からも10数年が経過して米軍は普天間基地に居座り続けて騒音と危険を撒き散らしている現実、基地の早期撤去を求める県民の意思に反して代替基地建設を条件に持ち出していることへの怒り、などに日米政府は向き合っていない。
日本政府は、枝野官房長官が記者会見で「公式なしかるべき対応」を求めてはいるが、沖縄県民の声を政府として伝える具体的な努力は行われておらず対応は不十分である。
政府は、昨年末に、普天間基地移設に反対する名護市に、2009年度、10年度分の米軍再編交付金16億8千万円を支給しないこと決定しているが、そのことにも見られるように、日本政府の中にもメア日本部長と同様の認識があることも懸念される。それだけに、日本政府には、毅然とした対応を取るよう求めたい。
|