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【談話】大阪府議会の「『君が代』起立条例案」の撤回を求める

 大阪府の5月府議会に、同府の橋下知事が代表を務める「大阪維新の会」から、府立学校の入学式等での「君が代」斉唱時の教職員の起立を義務付ける条例案が提出され、6月3日の会期末までに成立させる動きとなっている。
 教職員個々人の思想及び良心の自由を条例で規制して管理統制を強めることは、働くものの基本的人権を侵害し教育の自由を損なうものである。「『君が代』起立条例案」は現行憲法とは相いれないものであり、成立に断固反対し、条例案の即時撤回を求める。

 「国旗・国歌法」の国会審議段階でも、多様な意見を持つ国民意思をふまえ、義務づけや強制はしないという確認が繰り返し行われている。法成立時には、「義務付けは考えない」との政府見解も出されている。公務員である教職員も、国民として基本的人権や個人の尊厳が尊重されるのは当然であり、それらの政府の見解は遵守されるべきである。
 また、府議会での条例審議の中で、大阪府の教育長は、学校現場の実態もふまえて「条例による義務付けは必要ない」と答弁している。強引な条例案の審議、採決は、学校現場での混乱要因となりかねない。
 橋下知事は、不起立教職員の処分基準を定める条例制定を9月以降の府議会でめざす姿勢さえ示している。教職員を力でねじ伏せるための条例案であることは明白であり、その点でも、教育の本質とも一致しない内容である。
 さらに、4月に行われた府議会選挙で、今回の条例制定を掲げた候補者はなく、条例は府民の意思を反映したものとも言えない。

 以上の点からしても、「『君が代』起立条例案」の拙速な採決は、法と民主主義を踏みにじる暴挙と言わざるを得ない。
 全労連として条例案の撤回を強く求める。

  2011年5月31日

全国労働組合総連合
事務局長  小 田 川 義 和

 
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