【談話】第179臨時国会の召集にあたって
本日、第179臨時国会が召集された。野田政権下で、最初の本格論戦の場となる国会では、東日本大震災からの復興支援策を盛り込む2011年度第3次補正予算案とその財源法案や、規制緩和をもくろんだ復興特区法案などの提出が予定されている。また、労働者派遣法改正法案や国家公務員労働者の賃下げ法案、自律的労使関係制度創設のための国家公務員法改正法案などの継続法案も重要な課題である。
さらに、違憲状態を指摘する最高裁判決も受けた選挙制度見直しや、改憲原案を審査する憲法審査会の設置、スーダンへの自衛隊派遣など、平和と民主主義擁護のたたかいでも重要案件の審議か想定されている。
これらの法案は、労働者の雇用と生活、権利にも直接影響するものである。全労連は、11月10日に予定する秋闘期の中央行動を大きな節目に、要求前進と悪法成立阻止のたたかいに全力をあげる決意である。
野田政権は、復興財源を口実に所得税・住民税増税と、社会保障財源を口実にした消費税率引き上げなど、庶民増税に前のめりの姿勢を示している。その反面で、年金、医療、介護、福祉、生活保護など社会保障の全面的な改悪に一気に突き進もうともしている。この背景には、負担軽減を強く迫る大企業の圧力と、それに屈して「構造改革」への回帰を加速させ大連立に突き進もうとする民主党の「公約」破りがある。
また、野田政権は、福島原発事故の収束見込みも、事故原因の解明も不十分なまま、電力確保や原発政策堅持をせまる財界・大企業の圧力に屈して、休止中の原発の再稼働容認の姿勢さえ示している。
さらには、アメリカからの要望、圧力をうけて、TPP(環太平洋連携協定)参加や辺野古沖への米軍新基地建設など、アメリカの意向に沿った政治にも前のめりである。
このような大企業中心、アメリカ従属の政治は、貧困と格差に苦しみ、大震災からの早期復興を求める労働者・国民の生活実態軽視にほかならず、矛盾と批判が激化することは必至である。
全労連は、安定した良質な雇用と社会保障拡充、庶民増税反対の要求を前面に掲げて、野田政権の「構造改革」回帰に不満と怒りを強めているあらゆる分野の人々との対話と共同を全国で発展させる。
署名や宣伝、国会行動などを強め、悪政に反対し政治の転換を求めるうねりを、労働者のたたかいと行動で作り出す。
そのための全国の仲間の奮闘を心から訴える。
2011年10月20日
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