【声明】50歳雇用選択制度廃止と引き換えの賃金切り下げ大改悪は許さない!
NTTグループ各社は、4月5日、通信労組に対して「今後の事業運営等を踏まえた処遇体系の再構築」と題する説明資料を提示してきた。
それによれば、来年度から「処遇体系の再構築」と称して、世代毎の「ワークステージ」に応じた新たな処遇体系(評価・賃金制度)を導入するとともに、60歳超継続雇用スキームの創設と雇用形態・処遇体系の選択(「50歳退職・賃下げ再雇用」制度)を廃止するとしている。
「50歳退職・賃下げ再雇用」制度は、2001年に、NTT(持株会社)が利益極大化のために「構造改革」と称してNTT東日本・西日本・ファシリティーズ・コムウェアに導入させた制度で、それまで長年にわたって保障されていた地域採用・地域勤務の約束を反故にし、遠隔地配転の脅しで50歳を超える労働者に賃金30%カットの「退職・再雇用」を強要するという、まさに違法・脱法のリストラの手法であった。通信労組は、一貫して「50歳退職・賃下げ再雇用」制度の導入に反対し、導入以降も「労働者の働く意欲をなくす」「技術の継承ができない」「50歳労働者への退職強要は違法」等々を主張し、その廃止を求めてきた。また、退職・再雇用に応じなかった労働者への報復・見せしめの遠隔地配転に対しては、全国で配転無効の確認を求めて裁判でたたかい、育児・介護休業法まで無視した差別的意図に基づく業務上の必要性のない配転は違法との判決を勝ち取ってきた。こうした違法・脱法の制度が、多くのNTT労働者と世論の厳しい批判を受ける中で、今回、廃止されることはこれまでのたたかいの成果である。
「処遇体系の再構築」提案は、「50歳退職・賃下げ再雇用」制度の廃止と引き換えに、現行賃金制度の原資をそのままにして65歳までの雇用を確保するためと称して、若年世代からの基本賃金引き下げを骨格とする賃金制度を大改悪することは絶対容認できない。さらに、2013年度の厚生年金報酬比例部分の支給繰り延べを前に、60歳超継続雇用スキームが復活されることは当然であるが、このスキームの適用から退職・再雇用に応じなかった労働者を除外しようとしていることは容認できない。
通信労組は、「処遇体系の再構築」提案に断固反対し、「50歳退職・賃下げ再雇用」制度の無条件廃止を求め、「退職・再雇用」労働者の不利益の是正と「50歳退職・賃下げ再雇用」制度に応じなかった労働者への報復・見せしめである異職種・遠隔地配転者の早期の地元再配置実現のために引き続き奮闘する決意である。
2012年4月16日
全労連NTTリストラ闘争本部
通信産業労働組合
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