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【談話】民意無視の消費税大増税は断じて受けいれられない
− 民自公の増税大連立による「社会保障・税一体改革」法案採決に抗議する −

 本日の参議院本会議で、消費税増税と社会保障を空洞化させる改悪法案、社会保障改革・税一体改革関連法案が、民主、自民、公明などの賛成で成立した。
 民間シンクタンク(大和総研)によれば、それらの改悪で年収500万円の標準世帯(夫婦と子ども二人の世帯)で、消費税増税だけで年間約17万円、年金保険料引き上げ分を含めれば年間約33万円もの新たな負担が、国民に押し付けられると試算されている。
 90年代後半から賃金が低下し続け、非正規労働でしか働く場を得ることができない労働者が増加し続けている現状で、痛みだけを強いる大増税・社会保障改悪法の成立が強行されたことは到底受け容れられるものではなく強く抗議する。法の廃止を求め、引き続きたたかいを強める決意もあわせて表明する。

 各種の世論調査では、6月26日の衆議院での法案採決後も、過半数が増税法案等の成立に反対した。その国民の世論の後押しも受け、8月7日には野党6党が内閣不信任案を提出した。しかし、またもや行われた民主・自民・公明3党の密室談合(衆議院解散時期を「近いうち」とする3党首合意)を経て、昨日9日の衆議院本会議で不信任案は否決された。不信任案採決に欠席して野田内閣を事実上信任した自民、公明両党の協力の上に、本日の社会保障・税一体改革関連法案の採決が強行された。主権者国民の意思を切り捨て得る非民主的な暴挙であり、このことに対しても抗議の意思を表明する。

 不信任案が提出された8月7日以降の状況で、消費税増税を強く求めたのが、経団連などの財界であることが改めて明らかになった。
 8月8日に記者会見を行った米倉経団連会長は、消費税増税の「3党合意」に従って「粛々と進めてほしい」と述べ、内閣不信任案の提出姿勢を示していた自民党と、採決先延ばしを企図した野田内閣に圧力をかけた。この財界の圧力に屈した3党が、密室談合を行ったものである。
 毎週金曜日に官邸前を埋め尽くす市民、労働者の行動でも示されるように、東日本大震災、福島原発事故を契機に、国民生活よりも企業の経済活動を優先する社会からの転換を求める世論は、日に日に高まっている。
 今回の社会保障・税一体改革をめぐる国会審議の状況は、そのような国民世論の変化とはかけ離れた経済偏重に固執する勢力が国会内の多数を占めていることを改めて示した。主権者国民の願いと、国会内で語られる政治が乖離しており、その修正が急務である。

 成立させられた消費税増税法の実施は2014年4月とされており、国民世論と乖離した国会の勢力を変えることで、その実施をくい止めることは可能である。
 密室談合を繰り返して国民世論を顧みなかった政治への怒りを改めて確認し、消費税増税、社会保障改悪に反対する国民諸階層等の対話と共同を広げ、衆議院の早期解散・総選挙を求め、明日からのたたかいに奮闘するよう全国の労働者に呼びかける。

2012年8月10日

全国労働組合総連合
事務局長  小田川 義和

 
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