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【談話】最高裁判決にもとづき、「1票の価値の平等」を実現する抜本改革を

2012年10月18日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川 義和

1.10月17日、最高裁大法廷は「1票の格差」が最大5倍となった2010年7月の参議院選挙について「違憲状態」とする判決を下した。今回の判決は憲法の要請する「1票の価値の平等」からいって当然であり、評価するものである。すでに格差4.86倍の2007年参院選挙についての2009年最高裁判決では、国会に格差の大幅な縮小を図るために選挙制度の見直しを促しており、また2011年3月には2.30倍となった2009年衆院選挙についても「違憲状態」との判決を下した。そして、今回さらに「違憲状態」としたことはきわめて重い判決である。

2.全労連は、民意を歪める現行小選挙区制を廃止し、民意が政治に届く選挙制度の実現こそ国民が求めている選挙制度改革の根本の課題であると考え、比例定数削減に反対し、抜本改革の実現を強く求めたたかってきた。
 先の第180通常国会では、民主党の、次の総選挙では「0増5減」、比例35削減、次々回ではさらに40議席削減するという「定数80削減」案に、多くの国民とともに反対運動をすすめ、廃案に追い込んだ。

3.私たちは、廃案となった民主党案が息を吹き返すことを許さず、自民党の衆院「0増5減」案や維新の会の「半減」案など民意を歪め、国民の意思を国政に反映することを阻む「改革案」に反対する。また、まともに審議をつくさず強引に参院本会議で採決し、衆院で「継続審議」となった民主・自民党提出の参院「4増4減」案は4.746倍もの格差のままであり、憲法上の要請に応えるものではない。国会提出の民主党案、自民党案を撤回し、民・自・公の密室談合ではなく、国会の場で論議を早急に行うべきである。
 全労連は、衆・参両院の選挙制度について、「違憲状態」との判決が出されていることを踏まえ、多様な民意を国会の構成に反映し、「一票の価値の平等」を実現する制度の抜本改正を今すぐ行うことを求めるとともに、比例定数削減に反対する運動に引き続きまい進する決意である。

 
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