「今すぐ原発ゼロへ 11・11全国一斉行動」にあたって
福島からのメッセージ
2012年11月11日
ふくしま復興共同センター
代表委員・斎藤(さいとう)富春(よしはる)
この間のご支援に心から感謝申し上げます。
さて、大震災・原発事故から1年8ヶ月を迎えました。しかし、福島県の現状は、国会事故調査委員会報告が指摘するように「依然として事故は収束しておらず、被害も継続して」います。いまだに避難者の数は約16万人、この内県外避難者約6万人、役場機能を移転している自治体が7町村、さらに福島県の復興に直結する「事故収束・除染・賠償・県内全原発廃炉」の課題は進んでいません。
「ふくしま復興共同センター」が7〜8月と実施した「仮設住宅訪問ボランティア」でも「原発事故で、すぐに避難しなければならず、救える命も救えなかった」と自分を責める方、たび重なる避難で家族を亡くされ「原発事故さえなければ、もっと長生きしたはず」と声を震わす方、「荒地を開墾し苦労して子どもを育て、ようやく楽ができると思ったら、放射能でその全てを一瞬で失った」と無念を語る方などたくさんの被災者に出会いました。
生活再建の見通しも示さず、警戒区域解除を進める政府、そして加害者としての自覚のない東京電力の姿勢は、「いつ故郷に戻れるのか展望が見えない」など、時間がたつほどに被災者の失望と不安、憤りを広げています。
一方で、原発ゼロを求める世論と運動は確実に広がっています。6月から毎週金曜日に行われている官邸前行動には、延べ100万人以上の人たちが参加し、これに連帯した行動が全国120ヶ所以上に広がっています。さらに、政府のパブリックコメントでは、「即時原発ゼロ」が78%を占めました。今まさに、原発ゼロを求める広範な国民的運動と原発推進勢力とのせめぎ合いの局面にあります。
福島の教訓は、原発事故は立地する14道県どこでも起こり得るし、その被害は計り知れないということです。原発推進勢力の巻き返しを許す訳には行きません。そして、二度と福島と同じ事故を繰り返してはなりません。
本日、私たち「ふくしま復興共同センター」は「原発をなくす全国連絡会」と共に、「即時原発ゼロ」へ政府の決断を求める「新聞意見広告」を朝日新聞、東京新聞、そして地元の福島民報、福島民友の4紙に掲載しました。この運動に賛同して頂いた全国の団体・個人の皆様に感謝を申し上げると共に、引き続き「即時原発ゼロ」と福島の復興を一体のものとし奮闘する決意を申し上げ、連帯のメッセージといたします。
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