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【談話】「核兵器の非人道性」に関する共同声明への日本政府の賛同拒否に抗議する

 国連欧州本部で開催されている2015年核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第2回準備会合において、南アフリカ政府などの提唱で「核兵器の人道的影響に関する共同声明」が74カ国の賛同で4月24日に発表された。報道によれば、日本政府は安全保障政策に一致しないなどの理由で賛同を拒否したとされる。日本政府の否定的態度は被爆国としての責任を放棄し、核兵器廃絶を願う被爆者や広範な人々の声に背を向けるものであり断固抗議する。

 共同声明は、広島、長崎への原爆投下や核実験によって、甚大な被害がもたらされたと強調し、「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類生存の利益になる」としている。今回の声明は昨年以降、スイスなどが提唱した核兵器使用の非人道性を警告し、核兵器非合法化の努力の流れが世界で広がったことを反映している。にもかかわらず、日米安保条約と米国の核の傘のもとで、日本政府が米国の軍事戦略への依存をさらに強めることとなる今回の賛同拒否は、緊張が高まっている北東アジア地域での核兵器廃絶の流れに否定的に影響するものとして強く懸念する。

 関係国は核兵器の「非合法化」の文言を削除してまで日本政府の賛同を取り付けようとしたとされる。核兵器をなくすためには核兵器を非合法化し、全面的に禁止する取り組みを強める以外に方法はない。核兵器を持つわずかの国が決断すれば、核兵器全面禁止の必要性を国際社会が一致して確認し、核兵器禁止条約の交渉を開始することができるし、その機は熟している。この決断と行動を遅らせる動きを日本政府が取ったことは厳しく批判されるべきである。

 全労連は「核兵器全面禁止のアピール」署名をさらに促進し、労働者と国民のなかで核兵器禁止を求める世論を高める草の根の運動をさらに強化する。また、アメリカの軍事戦略と核の傘に依存している日本政府に政策変更を求める取り組みに全力をあげる。

2013年4月25日

全国労働組合総連合  
事務局長 小田川 義和

 
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