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【談話】国民の合意なき原発再稼働に断固反対する
− 原発「新規制基準」の改正と施行決定にあたっての談話 −

 原子力規制委員会は6月19日、原発の地震、津波対策、重大事故時の対策基準等を定める「原子炉規制法にもとづく原子力規制委員会の処分に係る審査基準等」(「新規制基準」)を決定した。また政府は、原発の運転期間の上限を最長60年まで20年間延長できるとする政令の改定などを6月20日の閣議で決定した。
 これらの政令等は7月8日から施行されるが、早くも北海道電力、東京電力、関西電力、九州電力などが停止中原発の再稼働を申請する動きを示している。
 また、現在稼働中の関西電力・大飯原発3、4号機については、定期点検時期が来る本年9月までの運転継続を原子力規制委員会が認める状況となっている。

 先に政府が決定した成長戦略には「原子力発電の活用」が盛り込まれ、原発再稼働に「最大限取り組む」とされた。6月20日に発表された自民党の参議院選挙公約でも、原発再稼働を明確に打ち出した。財界などが繰り返し、再稼働を求めていることは指摘するまでもない。
 今回の原子力規制委員会の「新規制基準」の決定は、福島原発事故の原因も未解明なまま行われている。科学的、専門的な知見よりも、政府や政権党、財界等の要請に応え、原発再稼働ありきの決定であることを強く疑わせる。
 よって第一に、原子力規制委員会がその独立性を十分に発揮せず、政府等の圧力に屈して「新規制基準」の決定を急いだことに強く抗議する。

 多くの世論調査で、原発の再稼働反対が過半を占め続けている。昨年、政府のエネルギー環境会議がおこなったパブリックコメントでは、7割以上が「原発ゼロのシナリオ」を選択したが、この世論はいまも変わっていない。さる6月2日には、全労連も積極的な役割を果たした「6.2 NO NUKES DAY」共同アクションが取り組まれ、8万5千人が参加したが、これも原発再稼働反対の声の強さを示すものだ。
 原子力規制委員会や政府の決定は、そのような主権者・国民の声に真っ向から反するものである。
 よって第二に、目先の電力コストや電力会社の経営など経済的理由のみを重視し、国民の声に背を向けた政策決定がおこなわれることに、強く抗議する。

  福島原発事故は未だ収束していない。今なお15万人以上の人々が、原発事故によって故郷を追われ、困難な避難生活を強いられている。
 「新規制基準」は、福島原発事故と同様の過酷事故が発生した場合の対応策と、東日本大震災並みの津波対策を付加しているものの、地震大国・日本で原発を運転し続けることの安全を保障するものではない。
 再び、福島原発事故と同程度の過酷な事故が起きることを払しょくできない「新規制基準」のもとで原発を再稼働させることがあってはならない。
 よって第三に、再稼働を急ぐよりも、福島原発事故の早期収束に全力をあげるべき時期に、新たな安全神話づくりともなりかねない「新規制基準」の決定に重ねて抗議する。

  2013年6月21日

全国労働組合総連合
事務局長  小 田 川 義 和

 
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