【原発をなくす全国連絡会声明】
「新規制基準」をテコにした再稼働推進に強く抗議する
国民世論に基づき原発ゼロの決断を行え
2013年6月24日
原発をなくす全国連絡会運営委員会
6月21日、政府は、原子力規制委員会の「新規制基準」を7月8日に施行することを決定しました。政府は先の「成長戦略」で「原発の活用」と再稼働を進めることを明記しましたが、「新規制基準」をテコに再稼働推進を加速させようとしています。「新規制基準」施行にあわせて電力各社はいっせいに原発の再稼働を申請し、全国の4分の1にあたる原発を稼働させようともくろみ、その後も次々と再稼働させることがねらわれています。
しかし、福島第一原発事故の事故原因すら究明できず、さらに放射能の汚染水の流入・発生がつづき、その解決の見通しもたたず深刻な状況が進行しています。まさに、福島第一原発事故は「収束」しておらず、事故のまっただ中にあります。そして、福島ではいまだに15万人以上が避難生活を余儀なくされ、故郷へ戻れない状況にあります。このような状況の中で、原発再稼働を求める電力会社および安倍政権の意向に沿って、審議過程で専門家から出された疑問や、多くの国民から寄せられた意見を全く無視し、スケジュールありきで決定された「新規制基準」で再稼働をすすめるなど、断固として容認できません。強く抗議の意思を表明します。
新規制基準では、炉心溶融を伴うような重大事故への対策を義務付けていますが、福島第1原発事故の教訓を踏まえた内容になっていません。そのうえ、中央制御室が使えなくなった場合に備える「第2制御室」などの設置、放射性物質を低減した上で外部に逃がす「フィルター付きベント」設備の設置(加圧水型軽水炉)などは5年の猶予が設けられています。また、福島第1原発で深刻な問題になっている放射能汚染水対策も問題にもされていません。
この間のどの世論調査をみても、原発ゼロを求める世論、再稼働に反対する世論は圧倒的に過半数を超えており、「原発ゼロ」「再稼働反対」は、国民の声です。しかし、安倍政権は国民の意思を無視し、原発の再稼働、原発輸出にしゃにむに前のめりになっています。そのための新たな安全神話づくりが今回の新規制基準作りです。スケジュール先にありき、再稼働ありき、国民の意思を無視した「新規制基準」決定に重ねて抗議します。
私たち原発をなくす全国連絡会は、原発ゼロの日本の実現求めて、全国いっせい行動や6.2NO NUKES DAY、宣伝・署名行動、政府への要請など、福島のなかまと連帯し、とりくみを広げてきました。私たちは、再稼働に反対し、原発ゼロに日本の実現にむけて、引き続きとりくみを強化していきます。
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